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「ドン・ジョヴァンニ」を無料ストリーミングで鑑賞

2024年11月28日 | オペラ・バレエ

新国立劇場のオペラ「ドン・ジョヴァンニ」を無料配信サービスで鑑賞した、配信期間は2025年1月10日まで、収録日は2022年12月8日、イタリア語上演/日本語及び英語字幕付

こういう粋な取り扱いは有難い、地方に住んでいて新国立劇場になかなか来れない人もいるので、是非継続してもらいたい

作曲:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
指揮:パオロ・オルミ
演出:グリシャ・アサガロフ

出演

ドン・ジョヴァンニ:シモーネ・アルベルギーニ
騎士長:河野鉄平
レポレッロ:レナート・ドルチーニ
ドンナ・アンナ:ミルト・パパタナシュ
ドン・オッターヴィオ:レオナルド・コルテッラッツィ
ドンナ・エルヴィーラ:セレーナ・マルフィ
マゼット:近藤 圭
ツェルリーナ:石橋栄実

合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

指揮者のパオロ・オルミはプロフィールを見ると、イタリアで修業し、欧州を中心に活躍している指揮者で、新国立劇場には99年『仮面舞踏会』、01年『ナブッコ』、 02年『ルチア』、10年『愛の妙薬』を指揮して以来の登場、結構来日しているようだ

家のパソコンをテレビにつないだ鑑賞では実際の音とあまりに異なるので彼の指揮やオーケストラの演奏の論評はできないと思った

演出のグリシャ・アサガロフはドイツ生まれ、82年からチューリヒ歌劇場、86年からウィーン国立歌劇場首席演出家、2012年までチューリヒ歌劇場芸術監督、新国立劇場では04年『カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師』、06年『イドメネオ』、08年『ドン・ジョヴァンニ』の演出を手がけるほか、09年ポネル演出の『チェネレントラ』の再演演出および演技指導で参加しており、この人も結構来日しているようだ

彼の演出は奇抜なところがなく、オーソドックスな演出だった、劇場の説明では主人公を18世紀に実在した色男カサノヴァになぞらえ、舞台をヴェネツィアにしているとのこと、確かにヴェネチアの運河が出ていた、合格点の演出だと思った

タイトルロールのシモーネ・アルベルギーニ(バス・バリトン)は1973年、イタリアのボローニャ生まれ、実績からしてもう第一人者なのだろう、新国立には初登場、見た目は役柄にピッタリの風貌だった、歌もまあまあだと思った、劇場のプロフィールを見ると結構この役が得意な人のようだ、なお、彼はアンナ・ ネトレプコのパートナーだった(1999–2007)

レポレッロのレナート・ドルチーニ(バリトン)は、新国立劇場初登場、1985年ミラノ生れで、既に数々の作品に出演していおり、特にバロック作品やモーツァルトで活躍とある、歌はまあまあだと思ったが、役柄に合っているのかとちょっと疑問に感じた、レポレッロはもう少しおっちょこちょいなところもある人間なのではないかと思うが、そういうイメージではなかった

ドンナ・アンナのミルト・パパタナシュ(ソプラノ)は、ギリシャ出身で2007 年にローマ歌劇場へ『椿姫』ヴィオレッタでデビューを飾って以降、世界で活躍しているとプロフィールにある、太ってなくて美女で、声量もそれなりにある歌手なので、美人の主役級の役がぴったりはまる人だと思った、今回もまさにそれだと思った、新国立劇場では『フィガロの結婚』伯爵夫人、『椿姫』ヴィオレッタに出演しているそうだ

ドン・オッターヴィオのレオナルド・コルテッラッツィ(テノール)は、新国立劇場初登場、ドンナ・アンナからドン・ジョヴァンニが地獄に落ちた後も結婚を1年待ってと言われてしぶしぶ引き下がるダメ男のようなイメージがあるが、見た目も立派で歌がうまいせいかしっかりした男という印象を持った、主役級の役ができるのではないか

ドンナ・エルヴィーラのセレーナ・マルフィ(メゾソプラノ)は、イタリア生まれ、新国立劇場初登場、むかしドン・ジョバンニに振られたがまだ未練がある難しい役柄だが、何となくそのイメージに合ったメイクをしていた、もう数々の実績があり、主役級の役も務まると思った

ツェルリーナの石橋栄実(ソプラノ)は役柄にピッタリだと思った、声量もあり町娘の愛嬌と亭主を尻に引くようなしっかりした女であり、ドン・ジョバンニに誘惑されかけマゼッタに拗ねられたが、よりを戻そうとすり寄る仕草とかがうまいと思った、一癖ある『こうもり』アデーレなどの役がピッタリの歌手だと思った

マゼットの近藤圭(バリトン)は、もう既に十分な実績のある歌手で、主役級の役もわき役もどちらもうまうこなせる歌手だと思った

ドン・ジョバンニは何と言っても以前よくNHKで放送していた1954年10月 ザルツブルク音楽祭でのフルトヴェングラー指揮、ウィーン・フィルの演奏があまりに強烈で、これこそが私にとって基準となる存在

これと比較するとどのドン・ジョバンニも霞んで見える、今やこの演奏もYouTubeで無料で見れるから有難い、パソコンで聴いてもその迫力は十分伝わる、指揮者、役者、演出、すべて良い

そういう意味で、今回のストリーミングサービスのドン・ジョバンニの演奏は評価不可能と上で書いたが、正直に言うと少し物足りないと感じる、パンチ力が足りないと感じた、フルトヴェングラーと比較するのはかわいそうだけど

十分楽しめました

ここまで書いて、この日のドン・ジョバンニは見たことがあるかもしれないと思い観劇ノートを見たら確かに観劇していた、その時の感想メモを見ると「指揮、管弦楽は良かった、演出もだいたいOKだが、最後の地獄に落ちる前後のところがイマイチ迫力がない、全体としてはカラフルで良い」と書いてあった



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