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[東京春祭] 「歌曲 タレク・ナズミ(バス)&ゲロルト・フーバー(ピアノ)」を聴きに行く

2023年03月26日 | クラシック音楽

東京文化会館で開催された東京・春・音楽祭「歌曲シリーズNo.36 タレク・ナズミ(バス)&ゲロルト・フーバー(ピアノ)」公演を聴きに行った。今日はA席6,500円、客層はシニア中心で若い人が若干という感じ、50%位の埋まり具合か。

曲目は、シューベルト:歌曲集『冬の旅』 Op.89 D911

出演は
バス:タレク・ナズミ(50、独)
ピアノ:ゲロルト・フーバー(54、独)

タレク・ナズミは、バス歌手。数々のオペラに歌手として出演している。リート歌手としては、最近ではゲロルト・フーバーとともに、ホーエネムスのシューベルティアーデ、ミュンヘン、ケルン、ロンドンのウィグモア・ホール等に出演している。

ゲロルト・フーバーは、ゲロルト・フーバーは、リートの伴奏者として引く手あまたなだけでなく、深遠さ、表現力、見事な技術を持った素晴らしいピアニストでもある、批評家たちにも常に熱狂的にリート伴奏者として評価されている。世界的に著名な歌手とも数多く共演している。

歌曲集「冬の旅」は、恋に破れ、一人で冬の荒野を旅する若者の心の風景を描いた作品、 全部で24曲からなる。この作品は詩人ヴィルヘルム・ミューラーの詩にシューベルトが音楽をつけたもので、ミューラーは後期ロマン派の詩人、ちなみにシューベルトのもう一つの代表的な連作歌曲集である「美しき水車小屋の娘」もミューラーの詩によるものだ。

春になったこの時期と冬の歌とは少しタイミングがずれたが、これは仕方ないだろう。音楽と季節のイメージを重ねて聴くのは一つの楽しみだ、ベートーベンの第9を年末に聴きたいのは日本では一般化しているが、12月になるとバッハの「クリスマスオラトリオ」を聴きたくなるし、春になるとベートーベンの「田園」を、夏には「英雄」のような曲を、秋にはモーツアルトの「クラリネット五重奏曲」などを聴きたくなる。そして冬の曇って寒い日には「冬の旅」だ。人によってそれぞれイメージする曲があるだろう。

ナズミのバスの歌声は深みがあり、曲のイメージにぴったりの感じがした。スリムで背が高く、時に体をねじったりしながら曲に感情移入して歌っている感じが伝わった。ピアノも緩急自在でナズミの歌とぴったり合っていた。1時間20分休憩なしでの演奏、結構大変だったと思うが、来て良かった。

今日は原語と日本語対比の歌詞が配られたのは有難い、演奏中、この対訳の歌詞を見ながら演奏を聴いている人が何人かいたが、自分はドイツ語がわからないのでそれはできなかったし、それをするには客席が暗すぎた。日本語の字幕を出してくれると有難いのだが、この小ホールにはその設備がないのだろう。

さて、この日の公演で演奏終了後、2人が拍手を浴びている時、スマホで写真を撮っている人が何人かいたが特段注意を受けていなかった、演奏終了後の写真はOKになったのだろうか、それならもっと積極的にアナウンスしてほしい。公演開始直前に、くどいように2回も撮影は禁止だ、音が鳴らないようにせよなどとアナウンスしておいて、このことに触れないのは不親切ではないか。



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