国立近代美術館の企画展「重要文化財の秘密」展に行ってきた。改装のためか一時閉鎖されていた国立近代美術館が再開され、初の展覧会だ。事前予約で1,800円で、企画展と常設展示が観られる。
観た絵画の中で特に印象に残った絵について、その一部を書いてみる
- 菱田早春「王昭君」・・・自分を描く絵師に賄賂を渡さなかったため醜く描かれ、匈奴への貢ぎ物とされた王昭君の引渡しの時、美人の王昭君を王が初めて見て後悔する逸話、悲しむ王昭君と側近女性を描いた絵
- 百福百穂「豫譲」・・・自分か仕える王を殺害した者を物陰に隠れていざ討とうとする瞬間を描いた絵
- 鏑木清方「築地明石町」、「新富町」、「浜町河岸」・・・美しい絵、江戸の風物を描く
- 和田三造「南風」・・・ジェリコーの「メデュース号の筏」を思い出す(写真参照)
- 萬鉄五郎「裸体美人」・・・解説にゴッホとマチスの影響があると書かれていたがまさにその通り、ゴッホのタッチとマチスの色彩、その両方を描いた絵だ、素晴らしい(写真参照)
- パウル・クレーの絵・・・所蔵作品展にクレーの特集をしたコーナーがあり、新収蔵作品「黄色の中の思考」をはじめ多くの絵が展示されているが、その色彩感覚が素晴らし(写真参照)
全体的な感想
- 最近しばらく来てなかったから以前はどうだったか知らないが、展示室内は原則撮影自由となっていた。これは有難い、他の美術館もファンサービスの観点から同じ扱いにしてもらいたい。
- 1,800円で企画展から常設展示まで、4階から2階まですべての展示室が観られる、今日は約2時間で全部見たが、疲れた。午前中に行ったが、昼食を食べて午後から見た方が体力的には良いかもしれない、最後の方は疲れてどうでも良くなった。1時間見ただけでもなぜか美術館というのは疲れる、同じ1時間でも散歩ではそんなに疲れないのに不思議だ。とにかく圧倒される量の素晴らし作品群の展示であり、1,800円は安いと言えよう、しっかり腹ごしらえしてからじっくり時間をかけて見るべきだと感じた
- 今日は比較的空いているように見えた、よってそれぞれの絵をゆっくり観られたのは良かった、また、館内もかなり広いのでゆったり観られたのは良かった。来てる客層は老若男女、多岐にわたっていた
- 美術館の展示で常々不満に思っていたのはそれぞれの絵に作者名やちょっとした解説が書いてあるプレートが表示されているのだが、文字が小さく、かつ、館内も薄暗いので非常に読みづらい点だ、特に近視の人は。ところが今回の展示では、比較的読みやすい文字の大きさ、プレートの作成の仕方、照明、そして幅広の絵では絵の左右の両端に同じプレートがあり一カ所に客が集中せずに流れが非常に良かった。良く工夫していると思った。
- 常設展示室では重要文化財に選ばれた作品を書いた作家の別の作品を展示している、面白い展示だ、中には重文より優れているとか人気があるという作品あるとの説明だ
いろんな面で関係者の創意工夫がなされており、かつ、展示作品の内容的にも十分行く価値がある展覧会だと感じた。
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