夏も終わりそうなので半袖のTシャツから長袖Tシャツに衣替えしたRURUですが、
年がら年中GパンとTシャツじゃあないの!と気がついた次第です。
今日は特に書きたいこともないので、昔、大学にいた頃つくった詩でもひとつ、
でも今読み直すとかなりはずかしいが、ブログを始めたこと事態が、
かなりはずかしいのだから、ま、なんか昔を振り返るのもいいじゃないのと思い始めている。
題は「峰」昔あったタバコの名前である、今もあるのかなあ、
タバコは吸わないが、ふかしタバコは若い頃(今は若くないってことがばれるが)
お酒を飲んだときカッコづけですることがあったなあ、
ピースでも7スターでもホープでもなく、峰という響きが好きだ。
峰
ひとつの快い歓喜が訪れて
列を作った 乱脈と 徒然と
喜々とした表情の中に
ひとりでに音が割れて
その中にあるのは静寂と呼ばれたりもした
世の中にあるのは乱雑で奇妙な
均衡を保ったりしながら
去っていく女の後ろ姿の悲哀にも似た
慕情というべきひと連なりの
連帯感があったりもした
夢の内に寝床は汗を掻いて
眼のまわりの隈取りは
ひどく手の込んだ芝居よりも迫力を持っている
そういう排他的な暗闇の中では
いつもぼんやりした
微笑が浮かんでいたりもした
愛情という設計課題はかなりの年月と共に
拠り所のない四角い箱の中を
ころがりきってしまわないでは
完結しないでいるだろう
日寄ることの懐かしさや本音が
どうどうめぐりに糸を紡いでしまう
思い出すという行為が人を束縛しては
昼ひなかに 町全体を歪んだ
奈落に落とし入れる
うそがあるのは胃の腑のあたりで
手のひらの中は真正直だというのに
走り続ける肉体はかなりの疲労を伴って
原色の夕焼けを背負った気になっている
これでもう最後になるだろうと
すべる陸に向かって叫んでみる
乾ききった風向きが赤子の首をすげかえて
一枚の最後札を民家の雨戸に差し入れた
昨日から犬の遠吠えが岬のほうから流れては
必要以上に耳障りだと思ったりしながら
唯一の慰めだとも考えられた
夕暮れ時に雨降る景色の中
嫁入り姿の娘を見たような
気がしたものだ
そうやっていまいましそうな
眼がさも物言いたげに
石張りの建物を見上げている
新しい典型が提示されたら
すぐにここを出て行こう
住み慣れたものには酷なことだと
甲冑を着込んで幽霊はかいぜるひげを
ひとさしゆびでつまんだ
滑稽なことは但し書きの中にあったりする
港の近く瀬戸物市は神社の境内で
行うはずだった
その広がりようを思い浮かべては
一人にやにやして持ち合わせの金額を
数えたりもした
船は港を出て行く気配すらない
ねずみ色のオーバァコートの下から
乾いた息を切れ切れに吐き出した
湿った空気があたりを漂い始める頃
最後の汽笛が鳴って
はすかいに海鳥が波をきった
夜のしじまはアークライトの下にあり
濡れた野良犬の子のうぶ毛の先へと
染み入った
さむらいの子が繁華街の
イルミネィションを見て
綺麗だと思うだろうか
虹色の蛍光塗料の光を点滅させて
人生の終わりを告げているようだとは
誰も思わないのだ
子供は光るものが好きだから
子供の心で女を買おう
大人の女の肌はきついコーヒーの香りが
するだろうか
子供心は はやってしまう
砂糖壺の中に妖精がいるわと
胸をはだけた女が言う
子供心にはわからない掠れた声で
女が言う
電話がいつでも鳴っているので
夕べの残りのなべにぶち込んで
言い訳と一緒に蓋をした
アルミ製の鍋の中で
鈍い音を立てて
それでも鳴り続ける人の叫びは
次第に裏返しの世界へと
子供心を追いやるのだ
人生の「峰」はいつなのか
峠より峰のほうがいい感じかと思う。
消してしまいたい過去など無いけど
「人間は後悔するようにできているんだよ」
というドラマの台詞に
つい「うん。」と返事をしてしまうのです。