No Room For Squares !

レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

水路の町で撮る普通の写真

2023-07-01 | 街:山形





いつも燻んだ色合いの写真ばかり撮っていた僕が、ここ最近は割とストレートな色の写真を撮る。なんでだろ?。悪いことが起こる前触れでないことを祈る。


X-PRO3 / XF16-80mmF4 R OIS WR
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山形ジャズ喫茶OCTET〜25分の至福

2023-06-15 | 街:山形





山形市のジャズ喫茶オクテットである。所用で山形に行った際に立ち寄ったのである。家人が山形駅隣接のショップで化粧品を買いたいという。所用時間を聞くと「15分」と言う。絶対それでは済まないことは誰にも分かる。恐らく30分くらいだろうと想定し、オクテットに入った。何度も来たことのある店だが、流石の老舗である。居心地も良く、長居をしたくなる。珈琲をお替わりすると長くなると思い、25分ほどで出ることにした。もっとゆっくり聴いていけと言われたが、断腸の思いだった。結局、「15分」と言っていた家人はその3倍くらいの時間を費やした。そんなことだったら、もう少しゆっくり聴けたのに・・・。

追伸:最近、何故かジャズ喫茶に行く機会が多い。多分、体調が良くなって余裕ができたのだと思う。


GRⅢ
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取り残された路地裏

2023-06-12 | 街:山形





先週は所用で山形市内まで行ってきた。業務用途で購入した品物の受け取りが目的で、フリーな時間は殆ど無かった。そんな中、気になって立ち寄った場所がある。山形市の繁華街のど真ん中に、誰もが手をつけずに忘れ去られたかのような一角がある。木塀と砂利道の狭いクランク。車も侵入できな細い小路である。ここだけ昭和30年代そのままのような雰囲気である。以前来た時と変わらぬ姿で安心した。


LEICA M10 MONOCHROME  / SUMMILUX M50mm ASPH
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遺跡のような石切場

2023-04-16 | 街:山形







山形県高畠町の瓜割石庭公園である。高畑石という石材の採掘場所を整備している。先週掲載した白布温泉に行く際に、高畠ワイナリーに立ち寄った。その際に短時間になるが足を伸ばした。現地ではこんな絶景が駐車場から徒歩1分で眼に入る。まるで遺跡か、インディジョーンズの映画の舞台のようだった。青空の下であれば圧巻の光景を見せるらしい。今回は富士フィルムのミラーレスカメラ(X-PRO3)を持っていった。24mm相当からのズームレンズを装着していたので、大抵の場面で困ることはない。でも全く収まらなかった。遠近感が分かり難いけど、垂直の石壁が30メートルの高さだという。仕方がないので、iPhone13PROの超広角レンズ(13mm相当)を併用した。装備を整えた上で、いつかまた来たいと思う。


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DEEPな長井(終)〜また逢う日まで逢える時まで

2023-04-15 | 街:山形







今回は、白布温泉からの帰路に長井に立ち寄った。町並みは想定以上に魅力的に映り、本腰を入れて歩きたい欲望に駆られた。いつも同様の場面で無理をして、体調を悪化させてきた経緯を思い出し、今回は自制することにした。未練たっぷりに町を後にした。なにしろ久々の温泉宿泊、そしてアルコール摂取、術後最長のロングドライブである。加えて家人同伴というのもある。一方で体調には自信を深めた。この分であれば本格的な町歩きを再開しても問題はないだろう。だから敢えて今回は大人しく帰ろう。いつも撮る特徴的な建物3軒を定点観測的に撮って、このシリーズは終了する。

帰り支度をしていると、これまでの長井に纏わる思い出が次から次に蘇る。初めて来たときは町並みに感動しながらも、うまく撮ることは出来なかったこと。写真をブログに載せたら、上原師匠が喰いついてきたこと。そしてその後に師匠は実際に長井を訪れた。師匠の撮った長井の写真は凄かったなあ。様々な感情が押し寄せて、町を離れることが辛くなった。なぜか頭の中では尾崎紀世彦さんの曲が鳴っていた(殆ど聴いたことなんてないのに)。次に来ることは当たり前とは言えないかもしれない。でもまた帰って来よう。そう強く思った。


X-PRO3 / XF23mm F2R WR
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DEEPな長井②〜対峙する姿勢

2023-04-14 | 街:山形





僕は常々、廃墟には興味がないと言っている。じゃあ今日の写真は何だ、これは廃墟ではないのか、そう思われた方もいるはずだ。これはセンシティブな問題で、少々面倒な説明をしなければならない。率直に言えば、僕は廃墟の建物自体が嫌いなわけではない。時の洗礼を受けた建物や構造物を「廃墟、廃墟」と喜び、無神経にそこに足を踏み入れる、そういう輩が嫌いなのだ。ここでいう「踏み入れる」は、物理的な侵入よりもむしろ精神的な領域を指している。多くの時間と様々な事情、それが絡み合って成された現状の姿。そこに想いを馳せる想像力もなく、廃れているという事実だけで単純に面白がる。あまつさえ無神経にその姿を晒していく。そういう姿勢が嫌いなのである。僕のなかでは撮るべきものと、そうではないもの、その区別が存在する。

そこで今回の建物となる。これは町のよろず屋だった店の跡である。祖父母が同じ形態の店を営んでいたこともあり、僕はこういう店に人並み以上のシンパシーを持っている。店番だって何度もした。近所のお爺さん、お婆さん、学生たち、更にはサラリーマン、そして観光客。老若男女様々な人が店を訪れた。パンを買いにきたり、醤油を買いにきたり、ジュースやタバコ。様々なものを買いにきた。この店も同様だったと思う。そこにあることが当たり前で、定休日以外は休みなく開いていた店が、ある日を境に廃業した。その経緯は分からない。でも店が営業を辞めたとき、多くの人々の胸に決して小さくはない「さざ波」を立てたことだろう。その日を境に人生の一部分が変わった人だっているかもしれない。そこに想いが至れば、真摯に建物と対峙するのは当たり前である。僕は長井に来れば必ずこの建物の写真を撮る。僕はこれが廃墟写真であるとは微塵も思わない。この店をイメージ通りに撮るには、どうすべきなのか。いつも真剣に向き合って、建物と対話しながら撮影している。やっとその片鱗を見せてくれたことを嬉しく思っている。何故熱くなったのか自分でも不明だが、説教臭くてすいません。

X-PRO3 / XF23mm F2R WR



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DEEPな長井①〜濃厚な味わい10連発

2023-04-13 | 街:山形











これから数日の間、米沢の白布温泉への往復で立ち寄った長井市の町並み写真を掲載する。最近は「東北コンプリート」達成に向けて、未到の町で写真を撮っている。町の規模も様々で、これという目立った特色のない町で写真を撮ることが多い。それはそれで勉強になっている。この流れの中で、いきなり長井のような町に来ると、もう驚くことばかりだ。喩えていえば、減塩減カロリーの病院食を毎日食べ続けていたのに、ある日突然に美味なる料理店で好きなだけご飯を食べるようなものだ(それでも、これは所謂高級料理ではないけど)。こんなに味濃かった?、こんなに蕩けるような食感だった?、こんなに美味しそうな盛り付けだった?、と僕の五感がうれしい悲鳴をあげる。どうして良いのか分からないので、とりあえず10枚ばかり見繕って掲載した。

X-PRO3 / XF23mm F2R WR


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花見蕎麦といこう

2023-04-10 | 街:山形





山形県白鷹町。枝垂れ桜の古木が名物である。その枝垂れ桜はまだ咲いていなかった。それでも他の桜も十分見応えがあった。辺りは公園のようになっていて、その桜を眺めながら食事をすることのできる「蕎麦店」がある。そこで香り高き十割蕎麦を頂きながら、窓越しに満開の桜を眺めた。良い時間だと思った。


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春の山形・村山路(終)〜町を歩く理由

2023-03-17 | 街:山形









今回の日帰り紀行では、山形県の河北町、東根市、村山市で写真を撮った。周辺には、天童、寒河江、山形、更には尾花沢、大石田といった町が隣接している。すべて何回も繰り返し行った町であり、飽きが来ている面は否定できない。それでも今回は久しぶりの訪問なので、新鮮な気持ちで歩くことができた。このシリーズの最後に歩いたのは村山の町だった。そういえば、2枚目の早川食堂のカツ丼をもう一度食べようと思っていたことを思い出した。4枚目の通りの奥へ「いつか行ってみよう」と思いつつ一度も果たしていないことも。飽きたといいつつ、色々なテーマが残っていることを思い出す。思念は業をつくるというが、一度でも歩いた町は人生の一部となり、再び訪れる理由ができる。未踏の町にばかり関心が行くが、こうやって同じ町を訪れることが出来ることに率直に感謝しようと思う。村山路シリーズ、終わりです。


X-PRO3 / XF23mm F2R WR
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春の山形・村山路④~それでも待ち続ける猫

2023-03-16 | 街:山形



山形県の東根市。昨日も掲載したが、かつて栄えた繁華街は廃れつつある。ピーク時の姿を留めたまま朽ちた建物も多く見かける。ある一軒のスナックの前に枯れ草の山が出来ていた。何気なく見ると驚いた。その山に埋もれるように猫が休んでいた。猫は毛がほつれにほつれ、相当に汚れていた。かといって今にも死にそうな感じではない。栄養もある程度は足りているようだった。雰囲気からして根っからの野良ではなく、どこかで飼われていた猫に違いない。この姿になるまでは、少なくとも年単位の時間を過ごしているだろう。もしかして、このスナックのママさんに飼われていた猫かもしれないと思った。ママさんの猫かどうかは別にして、少なくとも猫は店の前で誰かを待っているように見える。その姿を見て僕は言いようのない哀しさを覚えた。虚に開いた眼で、猫は何を見ようとしていたのだろうか。


X-PRO3 / XF23mm F2R WR
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