








僕は何度も同じ町を歩く。最初のうちは、新しい何かを探したり、足を踏み入れたことのない場所を目指す。それがひと段落すると、ルート選定や周遊時間は思考を経ずに勝手に設定されるようになる。丁度、犬のパトロールと同様に、決まった場所を巡回するのである。犬が電柱にオシッコを掛ける代わりに、僕は写真を撮るのである。いつも同じような写真ばかり撮ることになるので、たまには変化をつけようと思いつつ、何故か同じことを繰り返している。
そのパトロールを十年以上続けている町も数多くある。町は変化を繰り返す。東北の田舎町の場合、新しい店や建物が出来ることは稀である。大抵の場合、店が廃業したり建物が解体されたり、荒んだ建物が更に荒れることになる。変わらぬ何かを発見して安心したり、次に来るときは存在しないかもしれない何かに別れ難い想いを抱いたりもする。都会の町の移り変わりとは全く異なる営みがそこにある。結局はそんな町並みを歩くことが好きなのである。犬がパトロールすべき場所はまだ多く残っている。
LEICA M10 MONOCHROME / Summicron M35mm ASPH
ほんとうに。
最近はその気持ちだけで
街歩きに駆り立てられています(自分の場合です)
純粋な好奇心、カムバーック!
と思います😆
生きていくのに必要な感覚ではないし、人によっては「何それ?」ですが、人によっては大事なものなんですよね。3793