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少し前に酒田市の山居倉庫の写真を掲載した。黄色く染まった山居倉庫のケヤキ並木を歩いて、遠い昔の予備校時代のことを思い出した。親しくなった女の子と志望校の話などをしながら、千駄ヶ谷から神宮外苑、そして信濃町の駅まで一緒に歩いて帰るようになった。それをデートと呼べるのかどうかは分からないが、若い頃の切ない一コマだった。
時代を今に戻して、山居倉庫で写真を撮った僕は、ついでに酒田市の古い町並みの写真を撮った。建物はすべて、僕が東京で予備校生だった頃から建っていたに違いない。予備校時代、僕はまさか自分が将来東北に住むことになるなんて夢にも思わなかった。あの彼女に言いたい。当時、君の横で胸を高まらせながら歩いていた若者は、今は、こんな町並みの写真を撮って歩くオヂサンになった。それは僕が思い描いた人生とは随分異なるが、それを受け入れることの出来るだけの年齢になった。光陰矢の如し。今年の秋はオヂサンが物想う秋になった。
LEICA M10 MONOCHROME / SUMMILUX M50mm ASPH
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