東京日記
静岡県焼津市、藤枝市、北海道の札幌市にあるIT企業グループの経営者 松田敏孝の日記です。




いつだったかな、J社のYさんから、「この本、すごいですよ、絶対読んだ方がいいですよ」って言われていた本。気にはなっていたけど、とにかく厚いし、翻訳モノの日本語って読みにくかったりすることもあるから、ちょっとふんぎりがつかなかったんだよね。読み始めてびっくり。これ、もっとはやく読んでなきゃいけなかった。このところ情報のINPUTのペースがわれながら低下していた。反省しないと。今日は本を2冊買ってきて、最初にもう1冊の方を読んでいたので、まだとてもじゃないけど「フリー」は読み終わってない。だけどインパクトが強くて、もうこの時点で書評を書きたくなってしまった。

「フリー」、ご存知のとおり「無料」ってことだけど、この「無料」からお金を生みだす新戦略が書かれている。これは別に今始まったワケではなくて、「フリー」のビジネスは20世紀にもあった。たとえばカミソリを無料で配ったら、替え刃の需要ができたとか、オフィスにコーヒーメーカーをタダで置いて、コーヒーパックを売るとか、それは一つの有力なマーケティングの手法だった。

しかし21世紀の「フリー」はそれとは違っている。モノやサービスのコストをほとんどゼロになるまで下げるという、驚くべき新たな力によって実現されている。20世紀の「フリー」はおとり商法のようだが、21世紀の「フリー」は本当にタダで、そもそも金銭がその方程式から取り除かれていることも多い。

「モノやサービスのコストをほとんどゼロになるまで下げる」というと、なんらかの疑いを抱く人が多いと思うけど、たとえばグーグルの無料サービスは、世界中の人が利用していて、その一人当たりのコストを計算していくと、あまりにも人数が多いので、限りなく無料に近づいていく。すでにグーグルにとって、利用者が一人増えることによるコスト増は、実質的にはゼロと言ってもいい状況になっている。

この「モノやサービスのコストがほとんどゼロに近づく」性質は、20世紀の「フリー」の中で育った年代の方々(自分も含む)には、理解し難い性質なのだと思う。ただ、グーグルほどのスケールではないにしても、様々なサービスが、ときには製品を越えるくらい完成されたサービスが、無料で提供されることが、若い「グーグル世代」と呼ぶべき世代では、ある意味当然になっていて、その「無料」の周辺に膨大な経済が広がっていることも、自明の理となっている。

著者いわく「デジタル時代のユニークな特徴は、ひとたび何かがソフトウェアになると、それが必ず無料になることだ」。

「だからソフトウェア業界はダメになる」ということではなくて、「じゃあ、こうしていこう」という考え方ととるべき行動は必ずあるけど、今日のところはこのへんで。

いずれにしても、「フリー」、超オススメの一冊になることは間違いないです。



コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
読みかけです (磯輪)
2010-01-24 22:06:16
私も今読んでるところです。
また読後感アップして下さいね。
楽しみにしています。
 
 
 
柔軟ですね! (としたか)
2010-01-25 23:09:41
磯輪さんも読んでいらっしゃるのですか!
びっくりです。読書の幅が広いというか、柔軟ですね~。確かに売れている本ですが、自分はIT関係者以外でこの本を読んでいる人を初めて知りました。

はい、読後感、またアップいたしますので、どうぞ楽しみにしていて下さいませ。
 
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