週刊ダイヤモンドの2015年2月28号の「pepper大増殖計画」という
記事は秀逸。これはIT系のエンジニアはもちろんだけど、全業種の経営層や
新商品開発の担当者にとって有意義な記事だと思う。
これまで、一般的にロボットというと思い浮かべるもの。ぼくらの年代で、
ロボットと言えば真っ先に思い浮かべる企業はファナックだけど、そこで実現して
きたものと、peperが目指す世界はあまりにも大きく違う。
記事の中で、ソフトバンクロボティクスの林氏が
ペッパーは「誰もが必要とするロボットなのか」と問われれば、そうではありま
せん。常に進化する洗濯機や乾燥機のような白物家電的な便利さもありません。
ただし、人々が幸せや癒しを感じるために、潜在的に求めている部分を備えて
います。それはペットの存在によく似ているかもしれません。
と述べている。これまでのロボットの常識を覆す、きわめて新しい21世紀的な
発想だと思う。Googleがグーグルカーで自動運転を目指しているのと対照的
で(グーグルカーも素晴らしく、こちらもぜひ実用化してほしいと思っている)、
感性が細やかで、日本的な、ロボットへのアプローチだと感じる。
そしてソフトバンクのインターネットカンパニーらしい、壮大な取り組みとして、
Appleがアップストアで実現してきた、有料、無料の様々なiPhone用の
アプリケーション流通のプラットフォーム。ソフトバンクは、これをpepper
用にを作り上げようとしている。そしてさらに、
pepperが持ち主や家族の好みや感情、生活スタイルをデータとして蓄積して
いくというクラウドサービス。ここに注目しなければならない。よく「夫婦はだんだん
考え方が似てくる」と言われるけど、長く一緒に過ごすと、どんなことを言えば
相手が喜ぶか、どんなことを言うと気分を害するかがわかるようになる。食事の好み、
洋服の好みもそうだ。pepperは、それと同じことを実現しようという壮大な
クラウドサービスを目指している。
いわばユーザーとペッパーが一緒に過ごすことで生まれる「思い出」をつくることと
いえる。(中略)一番のバリューは家族との思い出です。生き物としての時間は
プライスレスで、一緒に暮らしてもらえたら、それは他社への強力な参入障壁になり
ます。
壮大なビジネスモデル。完全にこれまでの常識を超えている。
今はインターネットの時代だし、スマホもタブレットも使っているから、そこに
ロボットを取り入れれば、こういうビジネスモデルは可能だろう、と後付けで
発言することは簡単だ。なによりすごいのは
それを最初に発想し、実現に向けた行動を開始していることだ。
pepperがついに今月発売になる。
これからpepperはもちろん、IoTの分野は目が離せない。
もちろん七転八倒あるはずだ。ただそのときに悪い事例を取り上げて、「だから
ダメだ」という論調にはいかないで、ひたすら可能性を広げる方向に考えていきたい。
今、サンロフトでは自社内で取り組んでいるテーマが山積していて、pepper
には手がまわっていないけど、いつかこの「プラットフォーム」のためのアプリを
作ったり、pepperのクラウドサービスの可能性を業界特化で広げたりする
取り組みを始めたいと思っている。
これまでもなんとなく思ってはいたけど、はっきりそう思えるようにアシストを
してくれた秀逸なダイヤモンドの記事に感謝。皆さんもぜひ一読を ( ´ ▽ ‘ )ノ 。
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