東京日記
静岡県焼津市、藤枝市、北海道の札幌市にあるIT企業グループの経営者 松田敏孝の日記です。




2002年1月2日に社内ブログ(当時まだ ブログはなかったが、ブログに似たシステムがサンロフト社内用に稼動していた)で社員向けに発表した文章。タイトルは「ブロードバンドのインパクト」。なかなか懐かしいです。写真も2002年1月当時。

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今年の重要なキーワード。それはやはり「ブロードバンド」と「モバイル」ですね。ではその2つは世の中をどう変えるのか? その変化に私たちはどのように対処していくべきなのか? 今日はまず「ブロードバンド」について今、ぼくが考えていることを皆さんにお伝えします。

●ブロードバンドのインフラは?
長年NTTが推奨したISDNが完全に消滅、ADSLということになります。中長期的なインフラの本命は光ファイバーですが、「個別住宅に光ファイバー」というのはコスト的にペイしない。光ファイバーはマンションなど集合住宅や企業ユースなど限定的な市場に限られるでしょう。今はADSLが広く浸透することが何より重要で、それが進むでしょう。

●利用料金は?
あまりしられていないようですが、ADSLによって日本のインターネット利用環境は激変したことを意識するべきです。わかりやすく言えばこれまでは「世界トップクラスの遅くて高いインターネット利用環境」だったわけですが、多分今は「世界でもトップクラスの安くて速いインターネット環境」が作れる国になっていますね。これでブロードバンドインターネットが爆発的に普及するでしょうね。

●ADSLの発展性について
現在の8MBというスピードにとどまるものではないですね。更に速くなります。バックボーンの整備も進み各家庭の平均接続スピードは1~2MBになるでしょう。だいたい2~3MBの回線とメディアプレーヤーがあればストリーミングでDVD並みの画質が得られます。つまり「レンタルビデオ」という業態はあと数年の寿命しかないと断言できます。音楽CDの販売も激変することになるでしょう。

●コンテンツの考え方
ブロードバンドの時代になってもっとも重要になるのがコンテンツ。「何をみるか、何を聴くか」ということです。ブロードバンドはコンテンツの「リッチ化」をもたらし、これまで無料だったコンテンツが一部有料化されていくと思っています。
既存のコンテンツとして考えられている部分。つまり映画や音楽などは既存の業界(放送局や映画会社)が強いでしょう。そういったコンテンツを提供することにかけては彼らはノウハウをもっています。ただ他にもコンテンツはたくさんあるのです。たとえばチラシ。一枚の新聞オリコミチラシはこれまでコンテンツとして意識されることはありませんでした。
素晴らしい映画をみて涙がでたり、音楽を聴いて感動したりする。それをコンテンツととらえるのはわかりやすいのですが、チラシだって実は負けていません。たった一枚のチラシが開店前の店舗にたくさんの人の行列を作らせるのを何度もみてきました。すごいパワーです。「みる・きく」ことによって人が動くことは変わりません。これからはコンテンツをもっと広くとらえる必要があるのです。
私たちにもコンテンツメーカーになったり、コンテンツ発信サービス事業者になるチャンスは大いにあるのです。

●ビジネスの本命
ここまでどちらかというと一般コンシューマ向けのお話しをしてきましたが、ビジネス的には法人向けのサービスの方がいいと考えています。まず映画や音楽といったコンテンツが牽引すると思いますが、ビジネスの本命はその後にくる「法人利用」の部分だと考えています。そこはまだあまり鮮明にはみえていませんが、一点幼・保向けということであればかなり明確に言い切れます。各幼稚園・保育園個別の、保護者・子どもたち向けのリッチコンテンツです。これは有料サービス化が十分に可能な分野です。ひとつひとつの園のコンテンツ配信と考えると決して大きくはありませんが、全国の幼・保と考えるとそれなりに大きな市場です。運動会や発表会の模様などは子どもたちの親には有力なコンテンツになることは間違いありません。もちろん離れている祖父・祖母にとってもそうです。そしてそういったお年寄りでも簡単につかえるようなインターフェイスも提供されるはずです。こういった個別の法人向けサービスがサンロフトのビジネスベースになると確信しています。それからブロードバントというと「イコール動画」と考えるのは違いますね。「写真が快適にみれる」というのは本当にわかりやすいブロードバンドのメリットのひとつです。そして今、サンロフトが幼・保向けに展開しているサービスが「幼・保市場における写真販売」ですね。実はこれは「ブロードバンドビジネス」そのもので、サンロフトはすでに手がけはじめているのです。今後この分野での独自のノウハウを蓄積していくべきです。このビジネス、これから伸びると断言できます。

他にもいろいろとテーマはあります。皆さんもよく考えてみて下さい。実はさり気なく行っているビジネスがブレイクする可能性が高いのです。

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