先日一人の男が会社を去った。
先週末にその男の送別会が催された。
久しぶりにあったその男は、噂以上に痩せて見えた。
その男は、私の長い企業戦士人生の中で唯一同期の男だった。
その男と初めて会ったのは15年程前。
お互いまだ若かった。
その頃は、いつも馬鹿な事を話しながら編集室やスタジオで
夜明けを迎えたものだった。
常にテンションが高く大笑いして過ごした。
小さな会社だったが間違いなく夢が溢れていた。
でも、そんな楽しい瞬間も大きな時代の流れに飲み込まれた。
M&Aを繰り返して急成長した今の会社の飲み込まれた我々の夢は、
いつしか潰え、生きることに必死になった。
働く場所も遠く離れた。
私たちは、慣れない仕事を日々がむしゃらに戦った。
特にその同期の男は慣れない仕事と職場、
そして長い通勤時間に縛られながらも、ここ数年地道に戦い続けた。
しかし、その頑張りもついに力尽きた。
同じ会社の人間でなくなっただけで、今後一切会えない訳ではない。
これまでも多くの仲間が夢のない会社を去っていった。
でも、当時の仲間は皆どこかで繋がっている。
今回の送別会にも、そんな仲間が多く駆けつけてくれた。
よく分かっているのだ。
その男が会社を去るくらいで、関係が変わることなどないことを。
何も変わらない。
だから、わざわざ会社を去ることになった原因など聞かなかった。
痩せた顔を見るだけで十分だった。
そして普通に昔話をして、笑い、酒を飲んで握手をして分かれた。
だがひとり帰り道に思った。
仲間が去ることには慣れていたハズだ。
何も変わらないハズだった。
でも、同じ会社に居ないことが、
こんなにも寂しい気持ちになるとは思わなかった。
勤務地や仕事内容が変わっても、同じ組織のどこかにいるという
だけで存在感があったのだ。
そう、彼は、私の人生の中で二度と得ることにない時間を
共に過ごした唯一の「同期の男」だから。
今でも覚えている、楽しかったあの時代を。
今でも覚えている、苦しいが夢が見れたあの時代を。
お前と俺とは同期の桜。
さらば戦友。
これからは違う戦場で戦おう。
かけがえのない家族と夢のかけらを守りぬけ。
先週末にその男の送別会が催された。
久しぶりにあったその男は、噂以上に痩せて見えた。
その男は、私の長い企業戦士人生の中で唯一同期の男だった。
その男と初めて会ったのは15年程前。
お互いまだ若かった。
その頃は、いつも馬鹿な事を話しながら編集室やスタジオで
夜明けを迎えたものだった。
常にテンションが高く大笑いして過ごした。
小さな会社だったが間違いなく夢が溢れていた。
でも、そんな楽しい瞬間も大きな時代の流れに飲み込まれた。
M&Aを繰り返して急成長した今の会社の飲み込まれた我々の夢は、
いつしか潰え、生きることに必死になった。
働く場所も遠く離れた。
私たちは、慣れない仕事を日々がむしゃらに戦った。
特にその同期の男は慣れない仕事と職場、
そして長い通勤時間に縛られながらも、ここ数年地道に戦い続けた。
しかし、その頑張りもついに力尽きた。
同じ会社の人間でなくなっただけで、今後一切会えない訳ではない。
これまでも多くの仲間が夢のない会社を去っていった。
でも、当時の仲間は皆どこかで繋がっている。
今回の送別会にも、そんな仲間が多く駆けつけてくれた。
よく分かっているのだ。
その男が会社を去るくらいで、関係が変わることなどないことを。
何も変わらない。
だから、わざわざ会社を去ることになった原因など聞かなかった。
痩せた顔を見るだけで十分だった。
そして普通に昔話をして、笑い、酒を飲んで握手をして分かれた。
だがひとり帰り道に思った。
仲間が去ることには慣れていたハズだ。
何も変わらないハズだった。
でも、同じ会社に居ないことが、
こんなにも寂しい気持ちになるとは思わなかった。
勤務地や仕事内容が変わっても、同じ組織のどこかにいるという
だけで存在感があったのだ。
そう、彼は、私の人生の中で二度と得ることにない時間を
共に過ごした唯一の「同期の男」だから。
今でも覚えている、楽しかったあの時代を。
今でも覚えている、苦しいが夢が見れたあの時代を。
お前と俺とは同期の桜。
さらば戦友。
これからは違う戦場で戦おう。
かけがえのない家族と夢のかけらを守りぬけ。