「NEET」と「働き方」について少し考えてみた。

2012-09-27 21:45:00 | 自分の思想をめぐる冒険
この間、伊藤洋志さんの『ナリワイを作る~人生を盗まれない働き方』という本を読みました。


「ナリワイ(生業)」という言葉は以前から知ってて、この本も新聞の広告欄にちらほら載っているのを目にしていて、この前大きな書店に行った時に見つけたので買いました。


で、この本を読んでいたら、僕の中にあるモヤモヤが結構上手く言語化されていて、わずか1日で読んでしまいました(笑)


じゃあ、そもそも「ナリワイ」ってなんやねん?ってことなんですが、本によると

・生活の充実から仕事を生み出す手法

であって、

・ナリワイで生きるとは、大掛かりな仕掛けを使わずに、生活の中から仕事を生み出し、仕事の中から生活を充実させる

・そんな仕事を幾つも組み合わせていく

・現代資本主義での平和なゲリラ作戦

だとのこと。

なので、マーケティングをして投資をするわけでもなく、レバレッジをしてなんたら、ということでもない。

年に一回で30万のナリワイや、毎月3万や5万などの小さなナリワイを同時に組み合わせて、生活を組み合わせていく方法なんですね。


これはTwitter上で有名なMGさんも時々つぶやかれていると思うんですが、


ある種、会社に依存せずに生きて行こう、ってことなんだと思います。
(こんな内容に興味のある方は、是非ご一読されるのをおススメします。)


そして、特に僕の印象に残っているのは「地域で仕事作りを考える」のような部分に書かれてあった内容です。

以下、本文そのまま写せないので、自分なりの言葉でまとめてみました。



- - - - -

元来、仕事は自分で作るものであった。

今でも地域によっては、屋根の茅を住民で葺き替えたりするところもある。

このような「仕事」はもともと、企業にしてもらうものではない。

土日だけ喫茶店を営業して、他の日は別の仕事をすることだってある。

今でこそ地域の活性化、と叫ばれているが、そのために観光誘致をして多額のお金を地元に落としたり、企業誘致によって雇用を守ったりするのは、「市場経済」の枠組み・思考に縛られてしまっている。

もともと地域は、住民が協力して「仕事」を作ってきていたので、それを「企業誘致」や「雇用の確保」という手段で解決することは難しいのだ。

- - - - - 


おそらく、原文とは全く違ってしまいましたが(苦笑)、


この本を読んでドキッとしたのは、僕自身もそんな「雇用を生み出す」とか「多額のお金を落としてもらう」っていうやり方を、知らず知らずのうちに考えていたってことなんです。
(というか、こういうやり方を考えるのが普通だと思います)


これは軽く、自分の脳天叩き割られる体験でした。(っていってもただの読書やけど)



「仕事する」(この言葉はあまりにも多義的ですが)っていうのは、必ずしも「雇用される」ってことじゃないんやな、


ということに改めて気づきました。

これは僕にとって、結構大きな気づき。


やっぱり、日本の「高度経済成長」っていう時代が特殊やったんやろうか…


「就職活動」って言葉があるように、そして今でも毎年就職活動がされているように、


日本って「仕事をする」=「会社に雇ってもらう」っていう認識が強いんやと思う。

そしてそれは、自分の親の世代にとって「会社に雇ってもらって仕事をする」ってことが、あまりにも当然やったからとも思う。
(あくまで個人の予想・意見です)

だから、日本では「NEET」=Not in Education, Employment or Training

っていうのは"employment"っていうのが曲者で、


「仕事をする」=「雇われる」っていうのが強いニュアンスとして含まれているんだな、と痛感。
(そんなことを考えていると、僕は「仕事はしたい」けど「雇われたくない」人間で、めちゃくちゃわがままw)

上記の本の中にも、以下のような文章があって、ぼくはしっくりきました。


「そもそも、仕事はもっと多様性のあるものだった。季節ごとに生業は変わるし、色々な仕事があり、それを各自が組み合わせて生活を組み立てていた。それをわずか40~50年で変えてしまった。ここにも日本の働き方の矛盾の根源がある。

例えば、その矛盾の一つのニート問題は、職の多様性の急激な減少に適応できない人が顕在化しただけ。それなのに、対策が会社に就職すつるための職業訓練だけでは無力だ。新しい自営を作り出さないと解決は困難であると言える。



結局、僕がずっと持ち続けてた「違和感」は、この辺りのことなのかな、って思います。

今は「海外就職」なんてムーブメントが起こりつつあるけど、それもしっくりこなかったのは「就職」って部分があるのかもしれない。



「市場経済の競争原理からある程度逃れること」



「仕事じゃなくて生活」


「グローバルからローカルへ」


っていうのが、自分が持っている幾つかのキーワードの中にあるんだと。


僕も、生業と呼べるものを地道に作っていこうと思います。


「就職する」から「仕事を作る」へシフトしていきたい。



ナリワイをつくる:人生を盗まれない働き方



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