祖国愛と愛国心

2011-08-05 23:10:41 | 自分の思想をめぐる冒険
昨日、関東でAIESECをされている方からインタビューがありまして。

去年の春の、インターンの経験についていろいろ話を聞かせて欲しいと。


しかもその内容が録音されて、これはむやみに、なんでもかんでもしゃべったらあかんな、と思いつつ(笑)

一時間四十分くらい、いろいろ話していたんですよ。

その時に、インタビュアーの人には、僕が渡航時に書いていたブログを予め見ていただいていたんですね。


で、その中で、僕が記事に書いていたことなんですけど、


「誇りってなんぞや?」と。


これは当時、ポーランドで現地の人に会って、話をした上で思ったことなんですけど、


とにかくみんな、自分の国のことが好きで。


「自分はポーランドで生まれて、ポーランド人だという自覚がある、この国に生まれたことは誇りだと思う」


みたいなことを、僕と同じくらいの年齢の人がみんな、言っているんですよ。




これには僕正直、たまげました。

というのも、



その時は僕は、「日本の文化」とかについて、現地の高校生に対してプレゼンをしていたんですけど、


説明はそこそこできるけど、つまりその、「自分日本好きだ!」って風には、ほとんど思っていなかったんですね。

むしろ当時は、「日本なんて嫌いだー」とか思って、海外逃亡すら考えていましたから(笑)



いやこれ、(笑)とか使っていますけど、当時は半分くらい本気でした


でも、その時にポーランド人と会って、いろいろ考えるうちに、



なんで自分、愛国心とか持ってへんねんやろうなあ。


って思うようになったんですよ。


で、後になって気づいたことなんですが、


どうやら僕たちが巷で言っている「愛国心」というものとは、ポーランド人が持っているものは何か違う。


よくよく考えてみると、それは「祖国愛」なんじゃないかな、と思ったんですね。



「愛国心」って(日本語で)言うと、どうしても天皇制であるとか、右派・左派、っていうイメージと結びついて、
政治思想に、短絡的に結びついてしまう感じがするんです。


でも、彼らが言っていたのは、実はそういうことじゃなくて、


「国」っていうか、「故郷」とか「今住んでいる街」とか「歴史」とか、


そういうものをひっくるめての「愛」なんだなあ、と、感じました。



当時は、現地の大学生(ポーランド人)とルームシェアで暮らしていたんですが、

彼はよく、「うちの実家の料理は最高だ!」って、話してくれたんですよ。


ポーランドは、カトリックの影響もあるみたいで、お母さんが食事家事を主にするみたいなんですが、


「実家の母親の料理は一番うまい」って、毎日言っていたくらいなんです。


もしかしたら、宗教が何らかの影響を与えているかもしれないんですけど、

でも、自分に照らし合わせてみると、「僕の実家の母の料理は一番おいしいよ」なんて、たぶん言わないなあ、と思って(苦笑)


ポーランド人はすごく、家庭を大事にするなあ、っていうのも思いましたし、


そういう気持ちって、何も人から言われて生まれるものじゃなくて、自分から勝手に芽生えるというか。


僕も最近、自分の故郷っていいなあ、って思うようになったんですが、


それはなによりも、自分で奈良を歩いてみて、あとは自分のルーツを考えてみたりして、生まれてきたものなんですよね。



だから日本ではよく、「愛国心を育む」って言われてますけど、



あれは「祖国愛」なんだと思います。


漢字で書くと物々しかったら、patriotismでよい。


愛国心はnationalismで、祖国愛はpatriotism。


ホント、祖国愛に限らず、「好き」っていう感情って、自分の中から生まれるものだと思うんですね。

そういうものを大事にして、自分の故郷とか、国とかに対して、好感を持てるようになれたらなあ、



と、ふと思いました。

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