ボランティア演奏日記 「あきらとマドンナ」

訪問先でのハーモニカ演奏の記録と、時折、趣味の旅の様子等掲載しています

蛇の鼻御殿・・11/10(金)AiAi様No.104 伊藤久男さんはお金持ち

2023年11月10日 | 音楽ボランティア ハーモニカ演奏
 今日は雨天の中・・訪問しました。
”旅愁・落葉しぐれ”など秋の歌を中心に演奏しましたが・・・その中でも

「イヨマンテの夜(作曲:古関裕而 唄:伊藤久男)を久しぶりに演奏しました
かつては、のど自慢と言うと必ずこの歌が出てきたものです


伊藤久男さんは、明治43年7月7日に福島県安達郡本宮町に生まれ、
東京農業大学に進学、しかし声楽家になる夢を捨てられず、
農大を退学し、帝国音楽学校に入学・・・

同じ頃、古関裕而さんの妻の金子さんが帝国音楽学校に入学・・
金子さんとは同じ声楽を学ぶ仲間であり、古関裕而さんとは同郷の出身・・
しかも下宿が近所だったため、古関の家にはよく遊びに来られたそうです

伊藤久男さんの従兄弟に
早稲田大学応援部の幹部であった伊藤戊(しげる)という学生がいて
古関は伊藤の下宿に行ったときに会いそこで古関は応援歌の作曲を依頼されて
そうして生まれたのが現在の早稲田大学の第一応援歌「紺碧の空」です

伊藤久男さんは、豪快な歌い方とクラシックの要素が混じりそれが当時の歌に合わず
ヒット曲に恵まれなかったようでしたがやがて日中戦争が勃発・・・
古関・伊藤両者がコンビで活躍する舞台が整いました
戦中は豪快な歌唱法と、クラシック音楽の要素が求められたため、
伊藤久男さんの歌唱力に合う、古関裕而さんの戦中の大ヒット作
「露営の歌」や「暁に祈る」を力強く歌い上げ、頭角をあらわし
更に戦後も、高校野球の大会歌「栄冠は君に輝く」や
「イヨマンテの夜」といった名曲で二人のコンビは続いていきました


 その伊藤久男さんの別荘が福島県本宮市にある「蛇の鼻御殿」です
古関裕而記念館に立ち寄った際に
館員の方が・・ぜひにと見学を勧めて下さったので
福島から南の本宮市まで高速道路を走り見学に行きました

広大な敷地は、四季の花が咲く公園のようで、大きな池も2か所あり

何よりも豪華な建物と美術品の数々が素晴らしいものでした

なんでも伊藤久男さんのお父様が豪農でこの凝りに凝った別荘を作られたそうで
古関裕而さんも何度も泊りにきた・・と聞きました。

明治37年に約10年の歳月をかけて完成され建築に用いられた材質の中には

黒柿木材等、現在では入手困難とされるものも多く見ることができます。


玄関周りの巧妙精密な彫刻は、二本松市で200年以上の歴史がある
橋本仏具彫刻店の初代父子による作品といわれていて
日光の東照宮にみられる彫刻の数々を参考にして製作されたといわれます。
また、各部屋の襖を飾る作品は、


狩野派を代表とする時代に名を残す画家たちにより描かれているほか、

伊藤博文、三条実美、木戸孝允の扁額も見ることができます。
(1996年)12月、文化財保護法により登録有形文化財として登録されました。



こうした景色を自分の目で見て曲を演奏すると
どこか違った雰囲気なものになるような気がして自己満足感が得られます

今日も皆様に喜んで頂き、アンコールも頂き
自分としては異例の時間延長の1時間10分の演奏時間となりました

手ずくりの御菓子とコーヒーを頂き帰宅・・・
95歳の男性御利用者の方が玄関までお見送りにこられて恐縮しました。



コメント (2)
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