プロテスタントとカトリック
五、「教会とわたしたち」(427) 5.近代から現代へ(宗教改革とその後)
はじめに、近代への萌芽としてアウグスチヌス著「神の国」(1968.教団出版)(その67)
最終篇に入ります。
第二十二篇 神の国の永遠の浄福に
6.ローマはロムルスを神としたが、それは彼を建国者として敬愛していたからである。教会がキリストを愛するのは、キリストを神として信ずるからである。
……ローマ人の怒りを引き起こすかも知れないという些少な恐れでさえも、隷属都市をしてロムルスを神として崇めさせるに十分であった。しかし、もっとも大きな恐怖、すなわち単に怒りを引き起こすだけでなく、恐るべき刑罰、いな、あらゆる恐れの中でもっとも恐ろしい死でさえも、多くの殉教者が全世界のどこででも、キリストを神として礼拝し、そう宣べ伝えることを止めさせられなかった。……
そうであるにせよ、神の国の救いはただ信仰とともに・信仰によってのみ保たれ、いなむしろ獲得される。(前回はここまで)ひとたび信仰を失ってしまえば、なにびともこれに到達することはできない。この思いを心のうちに固く秘めて、多くの偉大な殉教者が世を去ったのである。ただひとりといえども、ロムルスが神であるという信念はこのような者を生まなかった。
7.この世がキリストを信じるに至ったのは、人間的な説得の結果ではなく、神の力の結果である。
8.この世をキリストの信仰へと獲得するためになしとげられ、世界が信ずるに至った今でもなされている奇跡について。
あるいはこう問われるかも知れない。かつて起こったと~(つづく)~(「神の国」出村彰訳)