昨年、八甲田山登山(実際は豪雨の為登らず)に行った際、
後藤伍長の銅像の登り口にある銅像茶屋で購入した
「吹雪の惨劇」を数日前から読んでおります。
(読もう読もうと思いつつ、今頃なのですが…)
著者の小笠原弧酒氏は新田次郎が小説「八甲田山死の彷徨」を執筆するにあたり、
新田次郎に自分で調べた貴重な資料を提供しています。
後年、小笠原氏は真実をゆがめないよう条件付きで資料を提供したのに、
出来上がった作品にフィクションが多く、最初から読者の興味本位にストーリーを
組み立てているので気分が良くないと言っていたそうです。
昨年、雪中行軍遭難資料館に行った際、ボランティアガイドの方も
新田次郎の小説や映画をノンフィクションだと思っている人が多いと言っておりました。
「吹雪の惨劇」は読みかけですが、久しぶりに映画「八甲田山」を見たくなり
昨日借りて早速見ました。
吾輩は1977年の封切りに、今は無き遠野の映画館で見た記憶があります。
それからビデオで3回は見ていると思います。
改めて映画を見てみると、やはり史実とは違います。
でも、映画「八甲田山」や小説「八甲田山死の彷徨」はあまりそれまで
知られていなかった雪中行軍遭難悲話を、世の中に知らしめた功績は
大きいのではないでしょうか。
原作は新田次郎ですが、
小笠原弧酒氏の協力が無ければ、小説も映画も出来なかった筈。
「吹雪の惨劇」ではないのですが、
今日は目の前が見えないほどの吹雪です。
こんな日は、ヒメのようにコタツで
丸くなるのが一番。
夏に「吹雪の惨劇」や「八甲田山」を見てもあまり
現実味がないと思うのですが、今日みたいな吹雪の日に見ると
かなり現実味があります。