となりのトトロは宮崎駿監督の作品の中でマイベストワンです。
トトロは、ミミズク。フクロウの神様。言葉は息みたいな感じなんですが、本当にふかふかで温かくて、側にいるだけでこっちまで温かくなる神様。だと思います。
言葉は、口からでたとたんに、本来の意図や感情から離れることもあり、逆の意味にもなったりすることから、トトロが言葉を喋らず、大きな息でメイの質問に答えるからこそ、愛着が持てます。御歳数千歳だとか。中トトロと小さいトトロの赤ちゃんでさえ、数百歳。
見えてる?とバレて逃げる中トトロ、小トトロの姿が愛らしい。子供が小さいころ、私の見えないものが見えてるという感じの発言をしたことがありましたが、無邪気とは、見る目が違うんでしょうね。。
ミミズクは、仁徳天皇生誕秘話でもでてきました。ミミズクは筑紫のこととも言われています。主人公の姉妹の姉、サツキが初めてトトロに会うバス停は、大分県のトトロの森をテーマに描かれたのではないかとも言われています。
姉妹が揃って夜トトロと遊ぶ場面があります。植えたどんぐりが、それは見事なクスノキになります。
姉から、九州を舞台にした、東野圭吾さんの神社の御神木をテーマにしたクスノキの番人を勧められていて購入しました。姉は、昔から三姉妹一の読書家です。
また、妹のメイが神隠しのような状態になり、行方不明になりますが、その際、猫バスが助けます。神社といえば、猫。なんてね。。
招き猫とかいいますから、福の神ですね。神社でたまに猫をみかけます。
姉妹が引越したぼろぼろの家を掃除していると、ススワタリの神様、真っ黒黒スケがでてきます。昔は竈門で火を焚いたことから、すすは家中に掃除をしないとあったのでしょうが、竈門の神様、火の神様の落とし子みたいなイメージで、その姿が2人の無邪気な姉妹にだけに見えたのも、邪気ない由縁かもです。
行方不明になった妹のメイの履物かもしれないサンダルがひとつみつかります。サツキが確認したら、メイのものじゃなかったとわかります。良かったです。
ところで、宮崎駿監督の作品には病が度々テーマに織り込まれます。
また、今は完治する病ですが、結核もでてきます。数十年前は差別され、不治の病とされた病です。
義理の母は、幼少期に結核により自分の母をなくしています。そのことを、以前話してくれました。家族が病による差別をその後受けたことも。
恐らく、となりのトトロのサツキとメイの母も、結核ではないかとされています。
病の母を慕う姉妹。猫バスやトトロに助けられ、七国山病院までたどり着きます。
七国山は、埼玉県狭山市の病院だろうと言われていて、狭山市が作品の舞台かな。
七国峠は秩父道の峠であり、出羽三山供養塔や大日堂があり、八王子にも繋がる、名前の響きは、神秘的な地名です。七国から八王子。国から王子を産む感じが国生み神話みたい。。
宮崎駿監督の作品の中では、トトロほどシンプルだけどあたたかい作品は無いなぁと感じます。無邪気な姉妹の唯一の願いは、母の回復でした。
電報の時代、母の生死さえわからない不安にかられた姉妹が、生きているお母さんを確認できて、とうもろこしを渡せて、嬉しそうにしている幸せな場面で作品のエンディング。
あたたかくて、何度も観ています。
コロナ禍のなか、入院してもお見舞いすら行けない今、両親には末永く長生きしてほしいなと思います。
【画像は全てお借りしてます】