良いものを手にしたら、人は太古から共有してきたように思います。神様は人に沢山の利器を与えてくれていますが、この時代には、この利器を与えようとまるで決めているみたい。
歴史をみても必要な利器が時代時代に与えられています。良くなって欲しいという思いが利器となり人から人へ伝えられたんだなぁと思います。
平和な時代と言われた縄文時代や旧石器時代。魔除けに使われたり、狩猟の矢の先や刃物に使われたり、鏡に使われたりした黒曜石。
もののけ姫でも、エミシの村を離れる一族の長になるはずのアシタカに村の娘カヤは黒曜石を御守りに渡します。アシタカは、後にもののけ姫サンにそれを渡します。
黒曜石は取れる場所が限定されていますので黒曜石の日本での分布を調べただけでも、人々はその時代に、海を超えて遥か遠くへ文明の利器を伝えながら共有していました。
縄文時代の黒曜石を大切に大陸へも運んでいた時代には、命の危険をおかしてでも運んで行きたいと思うほど、黒曜石は大切だったんだろうなと思いました。
そして、石器から金属器の時代。石から青銅器へ。青銅器も祭祀と結びついてはいましたが、貧富とも結びつきました。
石器より更によく切れる刃物で、木を切り住まう場所を作ったり、裁断し衣服を作ったり、狩猟でえた食糧を食べられるものに加工したり。
良いものは人々にどんどん伝わり、用途も広がります。だんだんと、利器に功罪が生まれます。人は文明の利器を武器にも変え支配にも使いました。
便利なものから、危ないものへ揺れながら、文明の利器は使う側の自由意思により功罪合わせもちます。
生きるには燃料が必要で、燃料は火や水や風、地熱などの自然エネルギーでは足りず、原子力を生み出しました。原子力理論は世界を、何回でも破滅させる原爆を生みだしました。
アインシュタインは原爆の仕組みを考えました。製造には携わっていなかったけれど、原子力がいかに大きなエネルギーであるかを示す公式、理論を考えだしました。
アインシュタインは日本人の友人に対し、「わたしは日本に対する原爆の使用を常に非難してきたが、わたしはあの運命の決断を阻止するために何もできなかった」と書いています。
アインシュタインはエネルギーが必要な社会において生まれた天才だと思います。理論を生み出したときに、それが人をあんなに苦しめる、地球すら破滅させる可能性のあるものに変化するとは想像していなかったのかもしれません。原子力発電所の安全神話もファンタジーだったと日本は東日本大震災で見せられました。
今の時代、情報の共有を可能にするスマホはまさに文明の利器だと思います。スティーブジョブズは今世紀のスーパーマン、神様が遣わした偉人だと思います。
パソコンが無かった時代に生まれ、この世界を繋ぐ利器がどんどん小型化し進化してさらには殆ど老若男女がスマホを持つ時代になりました。
この利器が、多くの人、国境さえこえ、時間差もこえて瞬時に人を繋げました。しかし、ネット社会により死にまで追いやるニュースもありました。ネット炎上、ネットいじめ、リベンジポルノといった指先ひとつで、誰かをとことん追い詰める怖さも内包した利器でもあります。
与えられた文明の利器をストレスの吐口のようにみず知らない他者を傷つける。それも、自由の中で泳がされた人が選択します。神様を信じなければ信じないほど、利器を利己的に残酷なものに変える気もしました。匿名のもと人の内面が露わになる。
どんな素晴らしい物を手にしても、それを手にした人の心が利器を悪いものにも変えてしまう。これも歴史が利器の形を変えて証明している気がします。
自分の意思で利器をどのように使うかも常に選択する自由がある一方、そこには匿名であろうがなかろうが責任が与えられていると思います。有難い物を使える時代、この利器に感謝し、より良く使い善を共有したいです。
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