のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

I buy you!

2007-02-10 | 仲間
 ショーが終わってからチャイニーズレストランに集まりました。私はただ集まるのかと思って行ったら、新しい中国人のアーティスト、マオチャオの誕生会でした。彼は昨日24歳になったそうです。そういえば今日、トレーニングルームにショーの途中で行ったら、彼に「ハロー。」と挨拶をされてすぐ「何歳?」と唐突に訊かれたっけ。そんなことを思い出していました。
 いつものように食べて飲んで笑って…マオチャオはビールを11本も空けたそうです。そのうちに彼が私のことを言い始めました。
 「ノリコはgoodだよね。いつもショーの途中にトレーニングルームに来て必ず練習している。一回や二回は誰でもできるけど、毎日毎回必ずやっている。」するとJJが「そういうのはrespectって言うんだよ。」と言うと彼は「I リスバイ you. 」と。respectの発音がうまく出来ず、何度か言い直しているうちに「I buy you.」になってしまい、ニコニコと何度も「I buy you.」と言われてしまいました。みなで大笑いしていても本人は何のことかちっともわからず言い続け、JJがまた「How much?」と訊くと元気に「100%!」と答え、みなでおなかを抱えて笑いました。
 食べ終わって外に出て、話をしていました。私は自転車で帰る用意をしてそこに行くと、彼は勢い良くこちらに来て前輪に跨るまで接近してきました。「自転車で通っているの!僕も自転車を買って乗らないと!」またみなで大笑い。私は「なんだか怖くなってきたから帰るわ。」と笑いながらその場を後にしました。
 いろいろなことがあった一週間ではありましたが、笑いがいっぱいで終えることが出来ました。

遺失物

2007-02-09 | 仲間
 大好きな電子辞書がいつもの場所に入っていないことに気付き、昨日は慌てました。辞書は買い換えられるにしても、そこに大事な名刺を挿んでいたからです。
 記憶をたどると、グリーンルームにおいてきてしまったような気がしたので、今日は早く行って確認しようと思っていました。でも早く行けませんでした。
 12時半からショーに関わる全ての人のミーティングがあり、それが終わってグリーンルームで辞書を探していると、ある人に「今朝、そこのテーブルにあったよ。多分クリスティンが持っているよ。」と嬉しい情報をいただきました。クリスティンをようやく探して訊いてみましたが、彼女は全くそのことを知りませんでした。
 3階のステージマネージメントに行って、訊いてみました。辞書は届いてはなく、放送をしてくれることになりました。その放送を聞きながら階段を下りて行き、グリーンルームを覘くと誰も放送を聞いていない様子。そこには人がたくさん集まっていて、今日はみなが早くきていることは感じられても、ビリヤードをしている人を見ても、卓球をしている人を見ても、コンピューターをしている人を見ても、ドミノをしている人を見ても、それぞれがそれぞれのことに集中している様子。階段を下り切ってちょっとがっかりしたところに会ったアナトリが「今のノリコの辞書のこと?」と訊いてくれて少し希望がわきました。
 私は最悪のことまで考えていました。だれかがeBayでその辞書を売ってしまい、買った人が名刺を見つけ、何か悪いことをするのではないか、そうしたらその名刺をくださった方に大変な迷惑をかけてしまう…
 そしてそのすぐ後には、いや、買った人が名刺を見つけ、そこに書いてある私へのメッセージを見て、名刺に書いてある連絡先に連絡をしてくれて、私の連絡先を探し出し結局は私の手元に戻るかもしれない…

 「そんなに親切な人はいないかな…。」

 一回目のショーの途中にすれ違ったマットが「辞書見つかった?」と訊いてくれました。そういえば、彼、クリスティンのことを話しているときにそこにいたような気がします。でもそんなに気にしてくれているとは思わず、訊かれたことに少しビックリしました。
 そのショーが終わってバタバタしていると「ノリコ、ステージマネージメントに来てください。」と放送があり、その言い方に「えーっ!」と思わず声を上げ、階段を駆け上がりました。辞書が届いていたのです。放送をしてくれたジュリにお礼を言うと「見つけたのはマットなのよ。」と。
 辞書を大事に抱えて階段を下りていくとグリーンルームにマットがいました。お礼を言って見つけた場所を訊いたら、どう考えても探さないと見つからないような場所。彼とはあまり話すこともないのにそこまでしてくれて本当にありがたいと思いました。
 
 …親切な人は身近にいました…

馬三頭

2006-12-03 | 仲間
 先週、お客さんの反応がいつもと違うと思った回のショーのあと、ピエールルックがたくさんの友達をバックステージに連れてきていました。“Cavalia”のアーティストだと言い、自分もこのショーにいたと。ビックリしました。
 翌日のショーの途中に彼とすれ違ったときに「じゃあ、馬にも乗れるんだ。」と言うと「うん、馬三頭持っているよ。」と、さらり。ビックリして追いかけるように「本当に?」と何度も何度も訊き直してしまいました。「レッドロックのふもとにいるよ。」
 「ピエールルック、かっこよすぎ。」私は一人で興奮していました。
 ショーが終わってから急いで友人にそのことを言うと、彼女は“馬3頭”のことをすでに知っていて、私の興奮は抑えられ、「そのうちの1頭がこの前病気で、彼は一晩添い寝をしていたんだって。それを聞いて彼のファンになったのが衣裳部屋に二人いるのよ。」と。私は一人で出遅れていました。
 「馬三頭だよ。かっこよすぎ。」ひとりで何度もつぶやきました。
 彼はモントリオールのサーカス学校で、出来ないものはないというほどの優秀な生徒であったと言うことは知っていました。「彼は何かが違う。」と思わせていたのはそれだけではなく“馬”だったのでしょう。

 今日はその“Cavalia”を観に行きました。開演時間の3分前にチケットを買ったらものすごくいい席。申し訳ないくらいでした。
 馬に乗ってジャンプしたり、ひとりが2頭の手綱を引いて棒を超えたり、ひとりで4頭の手綱を引いたり、駆ける馬に逆さになって乗ったり…2頭の馬が鏡の動きをしたり、6頭の馬が音楽に合わせていろいろな歩き方をしながらフォーメーションを変えながらダンスをしたり…所々にサーカスのアクトも出てきます。また馬場の土まで効果的に使われていました。
 馬たちがとってもきれいでした。アーティストたちが馬を大切にしているのが良くわかって温かい気持ちになります。ピエールルック、このショーに合っているわ…
 最初と最後に出てくるアーティストの男性は、馬たちの呼吸を充分に感じながら指示を出し、演技をさせていると言うよりは、戯れているようでした。笑顔も素敵な彼は、駿馬に乗る激しく力強い女性と好対照で、観ている者をホッと幸せな気持ちにさせてくれました。

 今度Cavaliaの話を聞きながら、レッドロックのピエールルックの馬3頭に会いに行こうと思います。

寒さと自転車と温かさ

2006-11-29 | 仲間
 「ノリコ、お願いだから今日は自転車で行かないで。-1度になるって。送っていくし、ショーが終わったら迎えに行くし。私は今週は町にいるのでいつでも遠慮しないで頼んで。」
 確かに起きたときは寒かったです。それにしても本当に親切な方です。わざわざメールを送ってくださって、本当に有り難いと思いました。
 でもまだ11月。寒い時期はこれからなので自分で行こうと思いました。
 支度をして玄関を出ました。寒くて思わず逆戻り。私の部屋は南向きなので、冬になるにつれて太陽の光が部屋の奥まで差し込むようになりました。日の光はぽかぽかです。だから、こんなに外が寒いとは思いませんでした。ジャケットを着て再出発。しかし、出ている部分は寒いです。途中で手袋をしました。

 ショーを終え、支度をして帰ろうとすると電話が鳴りました。MGMで働く友人。「今日は仕事が遅くなって今終わって帰るところなのだけど、まだ近くにいるから乗っていけば。外は寒いよ。車に乗っていても寒いし。」
 先まで行ったのにわざわざ戻ってきてくれました。そして明日も迎えに来るからとまで言ってくれました。

 温度計を見ると0度でした。ラスベガスはすっかり寒くなりました。でも私の周りは親切な方々ばかりで、心は温かい毎日です。

ジュリアン

2006-10-25 | 仲間
「森のシーンの前だからいつも上から観ているんだ。いつも楽しませてもらっているよ。」
 そんなことを言われてからジュリアンの存在に気づいたのかもしれません。
「明日僕の友達出るのだけど出る日?」
 と訊いてくれたこともありました。
 そんなジュリアンの誕生日には
「今日はあなたのために踊るから。」
 と言うととっても喜んでくれたり。

 ミーティングでは正当な意見をまっすぐに言って、ショーを大事にしていて真剣で。芸術的で創造性が豊かでいつも何か創っている。正義感があって前向きで。そんな彼が見守ってくれていて声をかけてくれると、私は同じことをバカみたいにしているけど、それでも自分は自分でいいのだと安心させられました。

 あるとき、いつもは一人でクールダウンをしているトレーニングルームにジュリアンが訪れました。二人で円柱の発泡スチロールをゴロゴロさせながら寝転がりながら話をしました。そういえばそれまでゆっくりと話す機会はありませんでした。何気ない話の中にもその人の考えや感覚が出るものです。ショーが終わったあとの安堵感とあいまって心地よかったこと。

 見た目の雰囲気と私の中では合っていないのですが、サルサが得意です。何回かクラスをしてくれました。彼の説明は丁寧で、彼のリードはとても踊りやすくて楽しめました。休みの日にサルサのコンベンションが開かれるロサンジェルスまでわざわざ行って何時間も踊り続けたと言っていたこともありました。

 日本からの訪問客があったときクーンが開いてくれたパーティーでは、ゆっくりとゆったりと時間を共に過ごしてくれ、はじめから終わりまで彼女たちを温かく大切にもてなしてくれました。

 20歳からの顔は自分でつくるというけれど彼はどんどんかっこよくなっていきました。

「サインくれる?」
 とジュリアンの顔のページを開いたプログラムを差し出すと、空いてるスペースを使っていいか訊かれました。英語とフランス語で言葉を書いてくれて。私は用意していたカードを渡しました。 

 そう、このプログラムは別れるときに名前を書いてもらっているプログラムです。

 ジュリアンとも今日でお別れです。

出張自転車修理屋さん

2006-10-23 | 仲間
 自転車屋さんで働いたことがあるというベッキーはいつも私の自転車を気にしてくれていて今日はついに整備に来てくれました。ベランダで自転車をメンテナンススタンドに取り付けて作業開始。
 彼女は日々の点検箇所から常に携帯しておいたほうがいいものも含めて丁寧に教えてくれました。私はここに来て自転車を買ってから2回パンクし、はじめはパッチで修理し、そのあと数日でまたパンクしたときはチューブの交換をして直した経験があります。日本ではパンクしたことがなかったので持ち歩いたことはありませんでしたが、それからはパンクに敏感になり工具を携帯するようになりました。彼女にはちょっと意外だったようです。
 私が気になっていたのはブレーキ。今年は去年よりも短く48度になる日も少なかった夏でしたのでブレーキの消耗も少なくてすみました。それでも大事なところなので少し緩んだブレーキを直したいと思っていました。安い自転車なので直しにくそうでしたが調子はよくなりました。
 チェーンを洗うことなんて知りませんでした。舗装された道路を走ることが主ですし、油は注していたので今まで洗ったことがなくてもきれいなほうだったようです。
 ギアの調整。ここはとても繊細な部分で調整するのに時間がかかりました。一度は元のままのほうが良かったのではという状態にまでいってしまいましたが何とか戻り、私は調整の仕方がわかってよかったです。
 一時間ほど自転車と遊んで彼女は帰っていきました。自転車を愛する彼女にこの作業は“遊んで”という感じでした。私もこうやってさわやかにさりげなく人の役に立てる人になりたいです。ありがとうベッキー。

バースデイキャンプ

2006-10-01 | 仲間
 3年前にアルビンと映画に行ったとき、その翌日に彼とジュリの誕生会を山ですることを教えてくれて誘ってもらいました。ケベック仲間が集まって10人ほどでのパーティーでした。フランス語での会話を聞きながら自分の中で話を作って楽しみました。
 去年は人が増え人種も増え英語での会話。総勢15人でバーべキューをしながらディナーを整えたくさんの星の下素敵な夜をすごしました。
 その恒例のバースデイキャンプが今年もマウントチャールストンで行われました。今年はDDSが迎えに来てくれて、山道に入ってから「ドライブする?」と言われ、私は助手席から左手だけでハンドル操作をし、彼が足とギア担当でキャンプ場に行きました。
 今年も同じスポットに陣取っていました。たくさんの人人人。20名ぐらいだったのでしょうか。そのあとも人が増え続けました。今回はそれぞれが何かを持ち寄りバーベキューをし、バイキング形式のようにして食事を楽しみました。去年初参加でバーベキュー台をガスタンクとともにトラックに積んで現れ、みなをビックリさせておきながらホースを忘れて使えなかった、ジョージ&メグの夫婦は今年は忘れずにホースを持ってきていて、ステーキや野菜など次々に焼いてくれました。私はキングサーモンに野菜をのせその上にご飯をのせ醤油を少したらして火にかけました。どうなることかと思いましたが好評なしゃけご飯となりました。クレープをひたすらに焼き続けたルック。ポテト&ソーセージ、アルビン風。誕生日のケーキはジェニンの手作り・・・食べ物がたくさんあって食べきれないほどでした。
 泊まる人あり帰る人あり・・・残った人はギターの音色の中で火を見つめたり話したり笑ったり。そして恒例のアルビンのコワーイ話、懐中電灯なしの散歩。今年も楽しい夜でした。
 ジュリにとっては最後のバースデイキャンプとなります・・・

ロベールさん、横切る

2006-09-29 | 仲間
 いつものように暗闇の中で出番直前にフルートを回していると、いつもと違う人の行き来を感じよく見るとロベールさんでした。「わあ、ロベールさん!」ロベールさんのほんわかやさしいやわらかい頬に久しぶりに触れました。出番直前までお話しをしていたのでアップは少し足りませんでしたが素敵な気持ちで舞台に立てました。
 ロベールさんがいらっしゃるときに彼を囲む会に参加できるのはケベック仲間と付き合っている特権でもあります。良く行くお茶屋さんに集まりました。彼は本当に気さくな方で、いろいろな話を楽しくしてくださいました。今回は彼の隣に座れたのでいつもより話ができました。それにしてもご多用な方です。2012年までもう予定があるとか。
 「今日はノリコと話したあと下手に行こうと思って歩いていて、チラッと横を見たらノリコがバトントワリングしているところが見えて・・・あそこ、カーテンしない場面だったってことすっかり忘れていたよ。急いで横切ったけど・・・」“バトントワリング”とすらっと言った彼に大感激。そして、ロベールさんのことを発見できたお客様はラッキーです。

ジュリ

2006-09-28 | 仲間
 ジュリに「元気?」と訊くと「終わってしまったことだし、空に投げ捨てないといけないことかもしれないけど、よく考えたら強く言えなかった自分に腹が立って・・・自分が舞台に立ってロベールにみせることはわたしのキャリアには大切なことだった・・・それにこれが最後のチャンスだったことは間違いないし。今日は時間があるから彼にメールをしようと思うの。念のためあれは自分でないことを書き、あなたにみせたかったと。」

 昨日、バトンを二本同時に投げたとき「これはできない。」と思った直後「やってみよう。」と思い直し、無事できました。一瞬の迷いは禁物ではじめに思ったことをすべきなのですが、なぜか挑戦してしまいました。これは、観客席にいらしたディレクターのロベール・ラパージュさん、劇場デザイナーのマーク・フィッシャーさん、パペットデザイナーのマイケル・カーリーさんのお蔭と感謝したものです。
 そのことを更衣室に戻ったときにいたジュリに話すと「そうね、そうね。」と喜んで聞いてくれたあと、淋しい顔をしました。「私はね、今日はがっかりしているの。ロベールが来ているのに自分がメインでできなかった。ロベールが言わばお忍びのようなかたちで来るのはこれが三回目なのだけど、一回目はテウダの友達が来ていて、二回目はガブリエラの友達が来ていて、そして今日・・・二人のことは許せたとしても今日の代役はね・・・彼女のことはいい人だし好きよ。でも、あれが自分だと思われたら・・・彼女には優しく言ったのだけど断られて、私もそれ以上言えなかった。」(始まる直前で声をかけられなかったけど、そういえばジュリ泣いていた・・・)
 彼女の気持ちは痛いほどわかりました。同じような経験が同じようにある私なのに何もしてあげられなかった自分が悲しくなりました。そしてこの日はジュリの誕生日だったのに。
 ロベールさんは同じケベック出身の彼女にとって特別な存在。神様のような人。クリエーション時からいた彼女ですが次の契約更新をしなかったのでロベールさんの前でこの舞台に立てるのは確かにこれが最後のチャンスかもしれません。でも、それは確実ではありません。またチャンスがあることを願いつつ思ったのでした。
 あなたが強く言わなかったのは自分に対して腹を立てることではなく、褒めるべきことでしょう。あなたのその心の大きさや優しさは演技に出ているから、大丈夫、緊急時の代役と自分を間違えられるかもなんて小さなことは考えないで、心配しないで今まで通り素敵なジュリでいてください。

ウルディーの夢

2006-09-25 | 仲間
 以前もご紹介しましたが、ウルディーはハンガリー出身のアーティストで“White Palms”という映画で主演をしています。その彼が日本で仕事をしたいと言って私に頼んできました。私の国である日本に行ってみたいといわれるとなんとかお役に立てればと思いますが、残念ながら私に映画関係の知り合いはなく、唯一できるのがここで紹介すること。彼の映画のウエブサイトをブックマークに載せます。興味がある方がいらっしゃいましたらご連絡いただけると嬉しいです。ちなみにこのサイトにはKAのほかのアーティストが運営している会社のサイトがリンクされています。そちらも興味深いのでご覧ください。
 みなさん多才です・・・

P.S.ウルディーの本名はゾルタンです。