のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

それぞれの評価

2009-06-19 | KA
 踊り終えてトレーニングルームにいると、一人アーティストが入ってきました。私の顔を見るなり親指を上げて、満面の笑顔。でも、私が冴えない顔をしていたからか、彼も少し口角を下げました。そして、
「わざと落としたんじゃないの。」
 と。落としてしまったことを告げると、彼はまた笑顔になり
「サーカスっていろいろなことが起きるじゃない。そして何かが起きた時どうするか。何かをする人もいれば、何も出来ない人もいる。いや、本当に良かったよ。」
 と言い、また満面の笑顔に戻して去って行きました。
 長年シルクデュソレイユに携わる彼にそう言われ、私は少しほっとしたものの、まだ落ち込んでいました。昨日の二回目で出来なかったこと、今日は優しく踊ろうと思っていたことは出来たように思いますが、つい先週できなかった同じことがまた出来ませんでした。手袋が古くなっているのに、新しものに替える勇気がないのも一つの原因です。でも、落ち込むだけ、ある部分は回復しているのかな、と後になって思いました。
 二回目はお客様を迎えていました。彼はショーを観るプロなので、久しぶりのKAをどうご覧になるのか楽しみでした。でも、その一部である私のフルート回しは、あまりきれいにいきませんでした。全体を考えると、一回目の方が上手くいっていた気がします。
 ショーが終わるとすぐに、アーティストが一人声を掛けてくれました。
「今日は観ることが出来たのだけれども、きれいだったわよ。」
 私は一回目の事を話し、そして二回目の事も話すと、
「一回目は観られなかったからどうだったか分からないけれど、二回目は上手くいっていたわよ。あなたは自分のことを分かり過ぎているから、そう感じるだけじゃないの。」
 それを聞き、私は世界大会の規定演技、コンパルソリーのことを思い出しました。あの練習で、微妙な違いを感じ取る感覚は随分と鍛えられたように思います。今日のそれは、それほど微妙なことではなかったと思うのですが、モニターで見る限り、それほど悪くもなかったようです。でも、今日も一回目の方が滑らかにフルートが回り、二回目は少し力強くなり過ぎていたはずです。また、明日の目標ができました。
 彼の評価は、ショーは良くなっているとのことでした。デュエットも、今日は元々のアーティスト達が偶然行うことになり、熟練しているものをご覧頂けたのですが、それも良い評価でした。ピラーズがなくなってしまったのは、やはり良いシーンであっただけに残念ということです。あとは、彼の書く記事を楽しみに待つことにします。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿