心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

尾瀬ヶ原・至仏山(4)

2020年06月26日 | 尾瀬・燧ヶ岳・会津駒


至仏山(2,228m) ((3)のつづき)


 山頂から、歩いたばかりの、あれほど大きかった尾瀬ヶ原の湿原が、いまや手に取るように分かります。至仏山より高い燧ヶ岳が、思ったより小さく凛とした山容を見せています。どこをとっても、胸のすくような光景です。
 北側には平ヶ岳、その向こうには越後駒ヶ岳、南側に転じると上州武尊山、色々な形の山がそびえています。


 ここから見える山に全部登ってみたいと思いました。そのうちの一座・越後駒ヶ岳へは、早くもこの10日後に登ることができました。
 帰りは鳩待峠へ下ります。山ノ鼻からの登り専用ルートに比べると傾斜は緩いですが、途中の小至仏山までは、蛇紋岩のすべりやすい場所がいくつもあります。
 小至仏山からは、木道の敷かれた場所が多くなりました。
 視線の先、武尊山の手前に見えている山は笠ヶ岳です。至仏山より小さいですが、姿は笠の形そのものです。しかも、「小笠」というミニサイズの笠を従えています。
 20分ほど下ると、オヤマ沢田代に出ます。少しだけ傾斜した、小さな湿原です。山中の湿原は、尾瀬ヶ原の大湿原とまた違う開放感があります。
 登山道のまわりは大きな木が増えてきましたが、眺望を覆い隠すには至りません。振り返ると、登ったばかりの至仏山がなだらかな形を見せています。そして、至仏山自身の大きな影が燧ヶ岳に向かって迫ります。


 鳩待峠を出る最終バスは17:10発です。時間が怪しくなってきました。携帯がつながったのでバス会社へ電話したところ、ありがたいことに「4,5分なら待ちます。」とのこと。遠くから何となく人の声がしますが、森が深いからか聞き取れません。しかし、ありったけの力で「今行きます~!」と返事をし、小走りで登山道を下ります。
 山中で、こんな大声を出したことはありませんでした。バスの先客は4人でした。発車を待ってもらうことになり、申し訳ありませんでしたが、タクシー代がかからず助かりました。
 山頂から鳩待峠までの間、誰とも会いませんでした。人生初めての尾瀬は天気に恵まれた印象深い1日でした。今日は有給休暇にして本当によかったと思いました。





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【鳩待峠から尾瀬ヶ原・至仏山を経て鳩待峠へ】
 鳩待峠9:37→山ノ鼻10:28→牛首分岐点11:12→山ノ鼻(研究見本園)11:51~12:36→至仏山頂上15:02→小至仏山15:59→鳩待峠17:13
※よく整備されたルートです。気を付ける必要があるのは、至仏山の登山道に現れる滑りやすい蛇紋岩の道です。山と湿原、両方を1日で楽しむことができるのが嬉しいです。
 (体力●●●○○ 技術●●●○○) (登頂:2013年9月中旬) 



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