陽だまりのねごと

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ひとを<嫌う>ということ   中島義道

2007-03-04 20:04:15 | 
ひとを“嫌う”ということ

角川書店

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キライな人がいっぱい居る。
キライだけど逃げられない避けられない
職場のあの人この人。
血族、姻族のあの人この人。

怒りの本に続いて『嫌う』と言う感情について
中島氏の切り口に大いに興味を持ってページをめくった。
好きがあれば嫌いもある。どちらの感情も自然なのだから、
嫌いを封じ込めず、罪悪感や負の気持を持つことなく
人生の深み、妙味としようじゃないのって
提案になんとなく胸のつっかえが降りる。

嫌いの原因分析をすると自分自身を知ることにもなる。
自分だって誰かが嫌っている。
自分だって嫌っているのに、
嫌われていることに傷つくこともあるまいと
私は思う。
みんなに好かれようと言う無駄な努力は
逆にケッって気分にさせる。

最後に人間嫌いの自己嫌悪についてのくだりは
息子の気持を覗いているようだった。
自己嫌悪における自己愛。
自分は傷つきたくないから攻撃的に自分が嫌われる前に人を嫌う。
このあたりは『孤独について』に詳しく書いてあるそうな。
当分、中島義道と言うおそらく変人?にハマリそう。



モルヒネ  安達千夏

2007-03-04 19:43:46 | 
モルヒネ

祥伝社

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息子のバイトを待つ駐車スペースは某書店の端っこ。
予定時間を長い時は3時間待たされた。
いきおい書店での立ち読み。
購入して車内で読んで待つことになる。
ハードカバーは値も場所も張るので、
文庫本コーナーを行ったり来たり。
平積みの中からこの本を見つけた。
『モルヒネ』夫の死までの痛みを和らげてくれた薬。
ホスピスだ、ガン死だと言う内容に惹かれる。
長編恋愛小説と言う帯が気になったけど、文体に抵抗がない。
思わずレジに持っていって車で半分読んだ。
途中で飽きた。
再開までに時間があって、読み終わってもう一度ストーリーを追ってみた。

母の自殺、父の虐待、幼い姉の死と平坦ではない家庭環境から
緩和ケア病棟と在宅を診る医師へと成長した女性と
末期ガンで再会した元恋人のピアニストとの恋愛感情やら、
有限な命を生きるそれぞれの思いやら、
重たくないタッチで流れている。

元恋人と旅立ったオランダからの帰国を婚約者が
飛行場で出迎えるうまく出来すぎているシーンで終っている。
嫉妬とか、どろどろしたものが希薄。
傷付けられる主人公の女性の気持ばかりしか
語られていないのような気がして途中飽きたかな?

恋愛感情ってのに今ひとつ醒めてしまって
舞台設定が重いだけに、
ここまでさらさらしているとだからどうなの?
と、つっこみを入れたくなる。
良い人と悪い人がきっぱり分かりやすいのも酔えない原因かな?