わがままな歯のないお口

抜糸あとの痛みがあるのか？
エイズによるムカつきがあるのか？
キャットフードにフン！
絶対に食べてやらないモードで『腹減った』攻撃が続く。

飼い主は弱い。

体重がメッチャ減っているワケで、
毎日、あまり良くない体液の嘔吐も続いているワケで、
ほんとうのところ、元気なのがいつまで続くかもわからないワケで、
なんとか食べてもらいたい。

年末はお安い小アジを丸ごと煮て
煮汁ごと小骨をのぞいてやって食べさせた。

お正月はどこを探しても小アジは売ってなかった。
豪華お正月用のブリや刺身の盛り合わせ。
一番安いのがサーモンだった。
猫用にもったいない思いがしきりにしたが、
背に腹はかえられず。
毎日、サーモンの刺身を買いにせっせと出かけてやった。
でも、これもたった３日で飽きて、プイ。

とうとう
人間様御用達のお正月用高価ぶりの刺身を涙を飲んで食べさせた。
このお正月、
ワタシは猫さまからおすそわけ頂いて２切れ口にしたのみ。

もうお正月じゃないからね。
これ以上はワタシの財布が悲鳴をあげる。

よろこばしいことに
魚コーナーにイワシさまが復活してきた。
さっそく６匹298円パックを２買って冷凍保存。

アジと同じに丸ごと水煮して
しっかり小骨を除いて食べさせる。

喜んで食べるけれど
イワシさまの臭いはすさまじい。
煮るだけで換気扇を回しているのに
ものすごい臭い家中に立ちこめて長く居座る。

お召し上がりになるふぃんふぃんさまは
骨でもあろうものなら、
ブブブブブッツと餌をまき散らして痛がるから
私のおててでむしって、身だけやることになる。

この手にも
しっかり臭いがしみついて
もういや石鹸で洗ってもとれない。

でもこの子のしあわせと健康のためならば。ガマン、ガマン。
どうぞ、イワシに飽きないででね

しかし…
地球上には食べられない人たちもいっぱい。
猫ごときにバチがあたりそうな気がする。
猫まんまで良かった時代がノーマルなんじゃなかろうか？

涙もろくなったけど老化かな？

新幹線のホームまで娘を送った。
のぞみの停まる大きな駅までひかり自由席。
なんとか席に座るまで見届ける。
車両が動きだし、次の帰省は８月お盆、
８ヶ月は会えないと思ったら、ちょっと目にきた。

ちょっと前までこんなことはなかった。
涙もろいのは歳の所為かな？

話が簡単に通じて、
困りごとの相談が出来て
多少の助けにもなってくれる。
娘が居るとついつい頼りにしてしまう。
ひとりで張り詰めていなくて良いのは気持ちの上で随分、楽ちんな事だ。

行ってしまえば故郷の心配ごとをわざわざ伝えたりはしない。
娘には娘の生活がある。
娘もまた親に甘えるようなところがない。
甘えられない実家であるのかもしれない。
それがまた悲しかったりする。

息子もたまに帰る妹に、よそいきだったのか？
母と二人になったら、
居間のこたつにもやってこず、
食事はバラバラ饒舌でもなくなった。

いつもの事だけれど娘が去ると
母の心が通じないＡＳ息子との暮らしがやたら寂しく感じられる。