私が一番好きだったおもちゃ
親に買って買ってとせがんだのは
大学ノート5冊セット
1冊ごと違うお話を書くから
続きを書くから
しかもマンガだから
あっという間にページがなくなる
お話は書きはじめたら
思いついて続き書くまで放置するし
ノートはどんどんかさんだ
私の勉強机は兄からのお下がりで
本棚が横についてるやつ
大学ノートがひしめきあっていた
うっかり兄姉が見て
私を笑い者にするので
見えないとこに置く必要もあった
あれは誰かに見てほしくて書いてたんじゃなくて
書きながら世界に浸るのが楽しかったのだ
そう思い出すと本当に兄姉には腹が立つが
やつらからしたら
「書くのは見せたいから」だったんだろうな
鉛筆と消しゴムと紙があればよかった
漫画が好きで憧れてGペンを使ったら
原稿用紙がインクで滲んで穴が開いた
ややこしかった
下書きでもろもろになった紙は弱いことを知る
筆圧が強すぎることを知る
スクリーントーンをはった
原稿用紙を切り刻んでいた
切り込む力が強すぎることを知った
インクや墨汁・描線の強弱で紙の白さとのコントラストがやたら美しく感じた
すると紙はよりきれいな方が望ましくなり
描いては消すをしなくなった
下描きを本描き紙に写すことも始めた
じっくり自分の好きなように描くのは楽しかった
白面にうきあがってくる何かしらをはっきりさせればさせるほど面白く
色のつけられるものなら化粧品でも塗ってみた
ほぼ描かなくなった今
あの頃の私が今を知ったら嘘だろと絶望視するだろう今
変わらないのは
白いノートが好きなこと
柄のあるノートやメモは
書き加えられて画面が育つことはない
かわいいフェリシモの手帳を使いながら
使うほど絵として汚くなっていくと感じる
それを罪悪のように感じていた十代二十代前半を終えて
汚くなっていくことにも馴れた今
変わらないのは白紙のノートが好きなこと
厄介なのは
消せないものでしか書けないこと
一回書いたら白紙の美しさは取り戻せないから
せめてもの消しゴムを使わない潔さ
の つもり
親に買って買ってとせがんだのは
大学ノート5冊セット
1冊ごと違うお話を書くから
続きを書くから
しかもマンガだから
あっという間にページがなくなる
お話は書きはじめたら
思いついて続き書くまで放置するし
ノートはどんどんかさんだ
私の勉強机は兄からのお下がりで
本棚が横についてるやつ
大学ノートがひしめきあっていた
うっかり兄姉が見て
私を笑い者にするので
見えないとこに置く必要もあった
あれは誰かに見てほしくて書いてたんじゃなくて
書きながら世界に浸るのが楽しかったのだ
そう思い出すと本当に兄姉には腹が立つが
やつらからしたら
「書くのは見せたいから」だったんだろうな
鉛筆と消しゴムと紙があればよかった
漫画が好きで憧れてGペンを使ったら
原稿用紙がインクで滲んで穴が開いた
ややこしかった
下書きでもろもろになった紙は弱いことを知る
筆圧が強すぎることを知る
スクリーントーンをはった
原稿用紙を切り刻んでいた
切り込む力が強すぎることを知った
インクや墨汁・描線の強弱で紙の白さとのコントラストがやたら美しく感じた
すると紙はよりきれいな方が望ましくなり
描いては消すをしなくなった
下描きを本描き紙に写すことも始めた
じっくり自分の好きなように描くのは楽しかった
白面にうきあがってくる何かしらをはっきりさせればさせるほど面白く
色のつけられるものなら化粧品でも塗ってみた
ほぼ描かなくなった今
あの頃の私が今を知ったら嘘だろと絶望視するだろう今
変わらないのは
白いノートが好きなこと
柄のあるノートやメモは
書き加えられて画面が育つことはない
かわいいフェリシモの手帳を使いながら
使うほど絵として汚くなっていくと感じる
それを罪悪のように感じていた十代二十代前半を終えて
汚くなっていくことにも馴れた今
変わらないのは白紙のノートが好きなこと
厄介なのは
消せないものでしか書けないこと
一回書いたら白紙の美しさは取り戻せないから
せめてもの消しゴムを使わない潔さ
の つもり