宮中料理の例(韓国)
イスタンブールのハーレム (イスタンブールには種々ハーレムがあるようだがその一例)
「酒池肉林」に代表される、中国歴代皇帝の贅沢のエピソードには驚かされる。中国文学者の井波律子さんによると、贅沢の担い手は歴史的には、皇帝から貴族、商人へと移行していった。たとえば、司馬炎が265年に立てた西晋王朝の下では、貴族たちが激しい贅沢競争を繰り広げた。
▼宮中で出る料理はまずいと、箸をつけない者までいたという。司馬炎があるとき、貴族の家に行幸したとき、蒸したブタの料理が普通の味と違っていた。わけを尋ねると貴族は答えた。「人乳を飲ませております」。あきれた司馬炎は、食事の途中で立ち去った(『酒池肉林』講談社現代新書)。
▼中国共産党の習近平指導部は、前最高指導部メンバーだった周永康氏の党籍剥奪と送検を決めた。容疑は巨額の収賄から女性問題まで多項目にわたっている。今後の捜査で、数兆円とも伝えられる不正蓄財で、どんな贅沢を楽しんできたのか、明らかになるかもしれない。
▼周氏は、2年前に失脚した薄煕来元重慶市党書記と結びつきが強かった。政敵の排除に成功して、政権基盤が固まったとの見方が強い。ただ、汚職追及の姿勢が国内外にアピールできたか、という点では効果は疑わしい。
▼ドイツの民間団体が、汚職の状況についてまとめた「清潔度ランキング」では、中国の順位は今年、100位にまで下がった。国内でも、周氏とその一派だけの問題なのか、疑問の声も上がっている。一党独裁の政治システムこそが、腐敗の温床であることに、国民の多くはとっくに気づいているはずだ。
▼西晋時代に話を戻せば、司馬炎は貴族社会を覆う拝金主義を打破しようと改革に乗り出す。しかし、やがて断念して、自ら快楽の虜になりはてたそうだ。
【産経抄】2014.12.8 05:04更新
<memo> 今日はレッツの太極拳教室の男性で飲み会。7人全員出席だとのこと。17時30分から 「さんまる」