夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫) 価格:¥ 580(税込) 発売日:2008-12-25 |
確かに好きなタイプのストーリーでした。でも、思った以上に変わってる!
過去直木賞の候補にノミネートされたりしているし、話題の作家なので読んだことはなくとも、少しはこの作家の作品についての知識はありました。
ファンタジー、に属する話なのかな、ということ。そして、独自の個性と文体を持っているということ。
でも、想像していた以上でした。ちょっとへんてこりんというのかな。突然、不思議な世界に入るというのか……。
しかも、大人になってしまうと子どもの頃のようには物語世界に入りきれないものですけれど、不思議にふいっと入りこんでしまって、連れ回されるというような……。
しかも文体も、独自の色というのか、自分の声というのか、とにかく、出会ったことのない感じなのです。
耳を澄ますと、それだけで頭がくらくらしそう。
そうして、“先輩”と“乙女”とともにあれよあれよと引きまわされ、最後はすとん、と(文字通り)着地します。
もちろんクスリ、と微笑まされる部分も随所にあって、すこしふわあ、っと、体が軽くなるような物語です。