Father Christmas Goes on Holiday (Picture Puffins) 価格:¥ 923(税込) 発売日:1977-08-25 |
『さむがりやのサンタ』の続編の『サンタのなつやすみ』、ピクチャー・パフィン版!
『さむがりやのサンタ』を友達に借りて読んだのはまだ中学生の頃でしたから、続編を読むまでに実に四半世紀以上の時が流れたわけです。長かったな……。
でも、先輩はこのサンタのことを“男おひとりさま”と言っていましたが、たしかに、おひとりさま同士としては共感するところ大でした。ローティーンの頃より、今の方がこの絵本は味わい深いのかも。
さて、この巻ではサンタは夏のバカンスを楽しむわけですが、人生を楽しんでいていいな、と思う部分と、ちょっとほろ苦くて、ああ、分かる。ひとりって辛いこともあるよね、という部分が入り混じっています。
たとえば、フランスで、色々なものを食べすぎたせいでしょうか、少し具合が悪くなってしまうエピソードがあるのですね。たったひとりで、しかも旅先で病気になるなんて心細いな、だけど、ひとりで生きていくっていうのは、つまりはそういうことなんだ、と思ったり。
少しヘタレというか、トホホな失敗もあるし、ちょっとクスッと笑ってしまう部分もある。たとえば、フランスに行く前にサンタが一生懸命フランス語を勉強するところとか。それがなんとか通じて、無邪気に喜ぶのもカワイイ。
でも、サンタにはラスベガスには行ってほしくなかったなぁ……。子どもの頃に読んだらちょっとショックだったかも。
個人的にツボだったのは、一緒に暮らしてる犬と猫をペットホテルに預けるのですが、“じゃあね”とサンタが声をかけて出かけるとき、犬はケージに飛びついて別れを惜しむけれど、猫はすねて背を向けているのですよね。でも、そんな猫がちょっといじらしい……。
サンタが迎えに行ったときは、犬も猫もサンタに飛びついていくんですけどね。
思った以上に盛りだくさんな、読んでいる方もサンタと一緒に旅したような気分になる絵本でした。