猫島ハウスの騒動 (光文社文庫) 価格:¥ 700(税込) 発売日:2009-05-12 |
二十歳の頃、通っていた専門学校の近くに古本屋があり、よく帰りに寄っていました。
そこは店名に猫の文字が入っており、当時は店の中にも何匹かの猫がいました。
残念なことに、不心得な人たちが店の駐車場に猫を捨てていくことが多くなり、数年後には店で猫の姿を見かけることもなくなってしまいました。
これからお話しするのは、そんな悲しい出来事がある前の、まだ店に猫がいた頃のお話。
一匹、平積みになっている本の上に、いつも寝ている子がありました。
下の本を見たい場合は、その子をそっと、どけなくてはなりません。
白黒のぶちの、ちょっとブス猫ちゃんなのですが、身ぎれいな子らしく、毛並みはいつも綺麗でふわふわでした。
私はその子がいると、店の人から見えない位置なのをよーく確認してから、やおら、その子のお腹に“ばふっ”と顔を埋めました。
のんきな子で、そんなことされても目を覚まさず、ただ静かに、“ごろごろ、ごろごろ”と喉を鳴らしていました。
本を探すのと同じくらいそれが楽しみでしたが、店の人に見られやしないかといつもびくびくしていたので、もしかすると万引きしそうな客、と思われていたかも(^_^;)
ちなみに、わたしが『猫に関する恐怖小説』という本を手にとって、買おうかな、どうしようかな、と迷っていたら別の子(その本の表紙の絵にそっくりな黒猫!)が足にすり寄ってきて、思わず買ってしまったことがあります。
なかなかやりてな店員さんでした。
大好きな、素敵な店でした。だから、猫を捨てて行った人には、今でも腹が立ちます。(猫好きの人を悲しませることになるのに…)
上の本は、直接関係ありませんが、猫登場のミステリーということで。夏向きでもあります。
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