イランのサイトから;
オキシメル(Oxymel、ペルシャではSekanjabin)は薬用飲料又は、ビネガー、蜂蜜、そのほかの材料を合わせたシロップであると説明することができます。約1200種のオキシメルがあり、それらの問題点と禁忌については中世ペルシャ薬学写本とアヴィセンナ※の『医学典範』に詳しい。
オキシメルはビネガー1、蜂蜜2、水4、ハーブ、根、花、スパイス等を使って作る。
松の枝、ミント、ローズマリーなどのハーブを切ってアップルサイダービネガーの中に6週間漬ける。濾してビネガー1、蜂蜜3の割合で混ぜる。1/4になるまで煮詰めてボトルに詰める。冷暗所に保存する。
やはり、と言っては何ですが、しょっぱなから「中世」の文字が出てくるとは思っても見なかったので少し驚きました。『中世ペルシャ薬学写本とアヴィセンナ※の『医学典範』に詳しい。』と、現在も過去に培った手法を踏襲しているようです。
タジキスタンの紙幣20 somoni( 20ソモニ ; 日本円で約 ¥700 )に描かれたアヴィセンナ。西欧諸国も彼からは多大な恩恵を受けているはずなのですが、彼の足跡はヨーロッパ中世の写本の中に眠っているだけです。
※イブン・スィーナー( 英語ではアヴィセンナ、Abū 'Alī al-Husayn ibn Abdullāh ibn Sīnā al-Bukhārī、980 – 6/18/1037 ) 哲学の師であるアリストテレスの説いた四大元素説を理論医学に応用し、臨床医学に必要とされる知識を『医学典範』に反映させています。イスラム世界を代表する知識人です。12世紀半ばからヨーロッパでイブン・スィーナーの著作の翻訳が進められ、13世紀にクレモナのジェラルドによって訳された本はヨーロッパ世界に広まり、多大な影響を及ぼしました。( アイン・ブーフ・フォン・ギューター・スパイザ ( Ein Buch von Guter Spise ), 現在ミュヘン国立大学( Universitätsbibliothek München unter der Signatur 2° Cod. ms. 731, Cim. 4 befindet.)に保管されている。)は、ヴェルツブル司教の為に ca.1350 年にドイツで最初にドイツ語で書かれた料理書です。この中にもイブン・スィーナーからの引用が多く見られます。)
ca.1250年にFrederick II ( 12/26/1194-12/13/1250 ) の命によりクレモナのジェラルド ( Gerard of Cremona , Latin : Gerardus Cremonensis; c. 1114–1187 ) が訳したアヴィセナの医学書。
つづく。