ニオイゼラニウム 4
この植物は南アフリカ原産で、南アフリカ共和国の東ケープ、レソト自由州および南部、南西ハウテンに棲むズール、バスト、コーサ、ムフェンギ族が昔から赤痢、下痢、肝障害、傷、風邪、疲労、発熱、虚弱、肺結核を含む気管感染症に使ってきました。
肺結核と診断され、医師のアドバイスで休養と新鮮な空気、体に良い食べ物を求めて南アフリカに来たイギリス人のメイジャー・チャールズ・スティーブンス(Major Charles Stevens )は、そこで1897年にバスト族の治療師(Mike Kijitse)からP. sidoides と P. reniformeの「根」を使った結核治療を受けます。
この治療を「Steven’s Consumption Cure」又は「Stevens’ Cure」あるいは、アフリカン・ゼラニウム(ペラルゴニウム・シオドイド)、あるいはウンカロアボ(ズール族の言葉で「重い咳」の意)を使ったウンカ・コールド・ケアー「Umcka Cold Care」といいます。
完全に回復したチャールズは、救済薬と共にイギリスに戻り、その薬は “スティーブンの結核治療” としてヨーロッパ全土で人気となりました。 1920年に、宣教師の医師、エイドリアンセシュエは、スティーブンの治療法を学び、それから9年の間に、彼はホメオパシー製剤を使用してスイスで800人以上の患者を治療 ( Steven’s Consumption Cure ) したのです。
バスト族のシャーマン。 フリードリヒ・ラッツェル( Friedrich Ratzel;8/30/1844-8/9/1904、ドイツの地理学者、生物学者 )画
つづく。