イソプレンは主としてナラ、ポプラ、ユーカリ、一部のマメ科植物によって生産され、大気中に大量に放出されています。植生によるイソプレンの年間放出量は約5~6億トンで、樹木がイソプレンを放出するのは樹木が非生物的ストレスと闘う仕組みであると考えられています (下図参照)。イソプレンの放出量は温度上昇とともに劇的に増加し、約40°Cで最大になります。それは多種多様な生物によって生産され、非生物的ストレス条件下で植物を保護する役割を果たしていると考えられています。又、アマゾンの熱帯林の写真で、よく樹冠上に靄が広がっていますが、日中にしか放出されないイソプレンが、水蒸気の核を作りその結果霧を生みだし、日よけにしているのかも知れません。 https://link.springer.com/chapter/10.1007/10_2014_303 から、
2005-2016イソプレン排出量 https://emissions.aeronomie.be/index.php/bottom-up/isoprenev2018 から
イソプレンは植物の葉緑体内で非メバロン酸経路( non-mevalonate pathway)によってとジメチルアリル二リン酸(DMAPP)が生合成され、イソプレン合成酵素によってイソプレン + 二リン酸が作られます。「水と炭酸ガスだけで作るのだからたいしたものだ。」と感心する一方で、植物が作った化学合成物はあくまでも、作った植物の都合で出来たものであることを忘れてはいけません。香りが良いからといって、むやみに使うことは、生命に関わることになりかねません。植物生成物を極めて高純度で、安価に、大量に取り出すことの出来るのが、今の社会です。しかもお金のためなら何でもやるのが今の社会です。決して脅すわけではないですが、気を付けるにこしたことはありません。
テルペノイド解説図
解説図の上段真ん中のリモネンは2個の、上段右のファルネソールは3個の、下段のビタミンAは4個のイソプレン単位からできています。イソプレンを基本単位とする一群の炭化水素を総称してテルペノイド:Terpenoidといいます。シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、リモネン、ファルネソール、ビタミンAもテルペノイドです。(少し先で出てきます)
https://spexcertiprepblog.wordpress.com/2015/03/18/terpenes-in-a-class-of-their-own/
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