チンキ (Tinc、Tincture)
チンクチャーとも言い、天然香料素材をエタノールに浸漬させ、長期間(2〜6カ月くらい)置いて不溶解物を取り除いたものです。動物性香料;ムスク、シベット、アンバーグリス(6/12に絵を入れておきました)、カストリウムのチンキは、名香とよばれる伝統的な高級香水に保留剤として使われています。そのほかのチンキとしてはバニラ、ベンゾイン※1、アンブレットシード※2などがよく知られています。
全く熱をかけない方法なので、素材の香りが最も良く抽出されますが、香りがやや弱いのが欠点です。以下の4種がよく知られています。
シベット(ジャコウネコ)http://civetcoffee.seesaa.net/article/421679900.html
カンタリスチンキ (cantharides tincture)
マメハンミョウ科の甲翼虫類であるマメハンミョウを乾燥したものをエタノールで抽出してつくられたチンキ剤。
マメハンミョウエキスともいい、黄褐色の液体で、特異な臭いがあります。毛根刺激作用、皮膚刺激作用、鎮痒効果があり、ヘアトニックなどに配合されます。頭皮を刺激することにより血行を促進し、その結果として育毛効果を期待しています。副作用として腎障害、肝障害、胃腸障害、泌尿生殖器充血、過敏症状、皮膚灼熱感、皮膚そう痒感が、まれに、皮膚から全身に吸収されて、腎障害や肝障害、胃腸障害などを起こす可能性があります。
マメハンミョウ(ツチハンミョウ科)https://okirakutonbo.hatenablog.com/entry/2012/08/15/212437
ショウキョウチンキ (ginger tincture)
ショウガ[Zingiber officinale Roscoe(ZingerdまたはZingiberaceae)]の根茎をエタノールで浸出したチンキ剤。
刺激成分はジンゲロール、ショウガオールで、毛根刺激剤、頭皮刺激剤、止痒剤としてへアトニックなどの頭髪用化粧品や、局所刺激剤として育毛剤などに配合します。
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