ヒポクラテス コーパス(Hippocratic Corpus)に戻ります。
『床ずれの場合、患者は清潔なシャツとシーツを備えた新鮮で柔らかいベッドに入れなければなりません…患者の病気の原因と合併症について話し合ったので、私たちは彼らにとって都合の悪いところを治さなければならないと言いました。最初に痛みを和らげ、太ももに開口部を作って問題となっているものを取り出す必要があります。
第二に、手足の大きな腫れと冷たさを考慮して、手足の周りに熱いレンガを並べ、ワインと酢に入れたハーブの煎じ薬を振りかけ、ナプキンで包む必要があります。そして彼の足元には、煎じ薬を詰め、コルク栓をし、布で包んだ陶器の瓶を置いておきます。次に、太ももと脚全体を、セージ、ローズマリー、タイム、ラベンダー、カモミールとメリロット※の花、白ワインで煮た赤い薔薇、オークで作った乾燥粉末-灰と少量の酢、一握りの半分の塩で作った煎じ薬で温湿布をする必要があります。
第三に、床ずれには、痛みを和らげ潰瘍を乾かすために、乾燥した赤い軟膏とUnguentum Comitissoe※を同じ割合で混ぜ合わせた大きな膏薬を貼る必要があります。そして力が加わらないようにダウンの小さな枕をあてがう必要があります。
そして彼の心を強くするために、私たちはその上に睡蓮の油の解熱剤、薔薇の軟膏、そして少量のサフランを溶かし込んだローズビネガーと解毒剤を赤い布の上に広げなければなりません。』
※ メロリット(Melilotus officinalis、イエロースイートクローバー、セイヨウエビラハギ)https://www.flower-walk.jp/7800/061607.html
ヨーロッパ、アジア、北アメリカに自生するマメ科の多年草、日本には帰化したものと考えられています。花穂を乾燥させると桜餅のような甘いクマリンの香りがする、ポプリ、タバコの香りづけに用いられる。葉には殺菌、鎮痛、消炎作用があり薬用にもされる。完全に乾燥させないと、有毒なので注意
葉、花、花穂(乾燥)を薬用、料理に利用
名前の由来:属名の「meli」は蜜を表す名。ミツバチがこの花の蜜を好むことから蜜のクローバの意味の属名になりました。
マメ科の植物である事から痩せた土地でも良く育ち、丈夫な性質でもって繁茂し群生する。豊富な収量が見こめることから家畜の飼料として、又やせた土地を肥やす目的で植えられたりします。
全草をメリロート草Melilotusといいクマリン、クマール酸、メリロート酸、精油等を含み良い香りがします。つぶした生葉には抗炎症作用があり、リウマチ、気管支カタルなどに昔は湿布に用いたこともあったが、現在はあまり使いません。乾燥させた花穂は料理やビールの香り付けに。乾燥した葉を用いたハーブティは消化促進や頭痛止めに効果がある。完全に乾燥させなければ、有害物質が発生するので要注意。
経口抗凝固剤 ワルファリン製薬起原植物、痔疾患治療薬メリロートエキスの主成分
※ Unguentum comitissoeの作り方 ; どんぐりの真ん中の樹皮、栗、オーク、豆、マートルの果実、スギナ、胆汁?、酒石、未熟なナナカナド、乾燥したカリン、スロー(sloe)ツリーの葉、Bistortの薔薇(この場合は薔薇によく似たの意?)とTormentilをそれぞれ1オンス半ずつ用意する。
『失神(した時には)、傷害が生じ自然治癒力の消耗した脳を回復させる為に、栄養の良いジュース、生卵、ワインと砂糖で煮込んだプラム、大鍋で煮た肉のスープなどを摂らねばなりません。これまで述べたように、ニワトリの白身の肉、ヤマウズラの羽を細かく刻んだもの、その他の消化しやすいローストミート、例えば、仔牛、仔山羊、鳩、ヤマウズラ、ツグミ、そのようなものをオレンジジュース、ヴェルジュ、スイバ、酸っぱいザクロのソースを添えて摂るか、又は、レタス、スベリヒユ、チコリ、バグロス、マリーゴールドなどのハーブと一緒に煮て摂取します。
夜、スイバとスイレンのジュース、それぞれ2オンス、4〜5粒のアヘンと潰した4つの冷たい種子を、それぞれ0.5オンスずつを大麦水といっしょに飲ませます。これは良い栄養療法であり、(患者は)よく眠ることができます。』
『(彼のパンは農家のパンであり・・・意味不明)、生気があるとも生き生きとしているとも言えません。頭に大きな痛みがあるので、髪を刈り、頭を少し暖かいローズビネガーで擦り、ローズビネガーで濡らした二重の布を当てます。また、薔薇と睡蓮とポピーの油の額布を当て、少量のアヘンとローズビネガーといっしょに少量の樟脳を、時々取り替えながら(頭に)当てます。
さらに、酢とローズォーターに、少量の樟脳で潰したヘンベイン(Henbane)※と睡蓮の花をハンカチに包んで鼻に近づけてその匂いを嗅がせます。
そして、高い場所から大釜に水を注ぎ、人工的な雨を降らせ、その音を聞くことができるようにします。そうすると、患者は眠りにつくでしょう。』
『足が引きつった場合は、太ももに溜まった膿などの体液を出し、膝全体をアオイ科の植物の軟膏、ユリの油、そして少量の蒸留酒で擦り、グリースを塗った黒いウールで包みます。ヒザの下に二重にした羽毛の支えを置いて少しずつ脚を(引っ張る)と真っ直ぐになります。』
Hippocratic Corpus' Master teacher Manuscript 14th centuryに描かれたヒポクラテス
トルメンティル Tormentil(Potentilla erecta別名、タチキジムシロ、バラ科、キジムシロ属)説明はWikiから、
ヨーロッパ、北アフリカ、西アジアからシベリアに分布する多年生草本。
高さ:10〜30 cm(4〜12インチ)。花:黄色、約。幅1〜1.5 cm。花びら4、浅い切り欠き、オレンジ色の斑点のある基部、長さ4〜6 mm、萼片よりわずかに長い。雄しべは通常16です。雌しべは分離し、雌しべは通常4〜8です。花序は豊富に開花します。果実:丸い隆起した、灰色がかった茶色の痩果が集まって付きます。
生息地:牧草地、牧草地、放牧地、道端、湿った森、沼地、沼沢地、豊かな沼の端。
開花時期:6月〜8月。
トルメンティルの根の重さは最大0.5キロまでなり、タンニン酸が多く含まれ、革のなめしや布の染めなど、昔から多くの用途がありました。台木の切り傷から滴り落ちる血のように赤い液体は、キリスト教時代には薬用植物としての評判を得ました。
学名Potentillaは、ラテン語のpotensに由来し、「薬効がある」を意味し、種名erectaは、植物の直立した成長形態を指します。黄色い花を持つトルメンティルは、牛の牛乳の生産量を増やすと信じられていました。
イブキトラノオ(Persicaria bistorta、別名 bistort, common bistort, European bistort, meadow bistort、snakeroot, snakeweed and Easter-ledges.)
説明はWikiから、
ヨーロッパおよび北アジアと西アジアに自生するタデ科の被子植物。タイトな円筒形の花序の、魅力的なピンクの花を持つ直立した多年草。 葉の基部は長い葉柄があるが、茎の葉は無茎です。 葉柄の上部には、葉組織の狭い翼があり、植物は丈夫な広がった根茎から成長します。
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