ブリコルールの日々

キャッチし、発信するアンテナ。ANTENNE アンテーヌ 芦屋・宝塚・三田よりのレアで@な情報発信基地より

フェルメール 「光の王国」

2011-08-05 19:11:55 | NEWS

朝、宝塚南口のサロンで、仕事を終えて、台風が近づく三宮。修理に出していたギターをひき取りに。でも、不手際があって、受け取るのは1ヶ月後になりそうだ。

久しぶりにセンター街を歩く。夏休なので、若い人がとても多い。思い立って、センター街の3階に上がってみた。まさに、全国どこにでも見られるようになったシャッター街に近い。ジャンクな電気屋、わけの分らない雑貨屋や服屋、お宅なゲームソフトのお店、中古の家具屋や楽器屋など、アジアの匂い(ホーチミンやコナキタバルの裏通りを思い出させる)する錆びた都会の廃墟に近い状態である。

 



30数年前のセンター街といえば、飛ぶ鳥を落とす勢いのショッピング・モールであった。どこもかしこも若者であふれていた。ここの最上階10階に「バックステージ」というJAZZライブのお店があったのだ。切り札のお店として、女の子を誘って、ピアノ、ベース、ドラムのトリオがいつも熱い演奏を聴かせてくれた。素敵なお姉さん(タミー高杉さんは今どうしておられるのだろう)のJAZZのボーカルを聴きながら話をしたっけ。なつかしい思い出だが、いまは、痕跡すら残っていない。

 

元町の海文書店の2階にあがり、一冊の本を手に取り、購入。フェルメール光の王国」福岡伸一著。4年にわたる取材で「フェルメールの作品が所蔵されている美術館に赴きフェルメール作品を鑑賞するという」企画をまとめ、本にしたもの。生物学者の福岡先生が、ご自身の目からみて、推理し、書かれた紀行文である。

フェルメールについては、みなさんご存知の「光の芸術家」。聞き覚えのないひとでも、蒼いブルーのターバンをした真珠の首飾りの少女を目にされたことがあるにちがいない。こちらをみているようで、さらに後方の何かを凝視するように光を反射する瞳。生涯30数点の絵画しか残していないこのオランダの画家は、ギターやフルートをモチーフにした作品があり、地理学者や天文学者を題材にした作品がある。写真と見まがうような正確なその描写は、天文学者の使用していた機具を使ったのではないかとの仮説があるほどに、正確無比。

福岡先生は、光が、音や電波のような振動、というよりはむしろ粒子であることを理論的に予言したのは、ほかならぬアインシュタインであるが、アインシュタインに先立つこ300年近く前、すでに光が粒子であることを、確かに認識していた人がいるという。それが、17世紀オランダ美術を代表する画家ヨハネス・フェルメールであると。

科学も、芸術も天文学も、未分化で、それぞれの分野で同じことを目指していたのではないか。絶え間なく、うつろいゆくこの動的な世界をどう捉えればよいのかと。

 この本の中でも、推理、仮説を提示されて、作品のモデルのひとりが、顕微鏡学者のレーウェンフックに違いないという説を紹介されています。

日本ではたいへん人気が高く、6月から、手紙をモチーフにした作品を集めた展示が京都市美術館で。私の大好きな作家のひとりであるフェルメールを巡る旅。みなさんもぜひ読んでいただきたい一冊、そして展覧会です。

 

 

フェルメール 光の王国 (翼の王国books) [単行本]

福岡伸一 , 小林廉宜

 

 

 

■□■ ANTENNE □■□

芦屋店 Au Bricoleur 「オ・ブリコルール」

TEL 0797 35 1121

http://www.aubricoleur.jp
芦屋市大桝町2-12 クオリア三正1F

宝塚南口店  Opera 「オペラ」

TEL 0797 71 7747

山本店  Piony 「ピオニ」  

0797 80 0030 (山本)

北神戸三田  Jiro「ジロー」

079 559 0500