映画好きのサークルのメンバーと、プロジェクター50インチ画面で、ホウ・シャオシェン監督の「珈琲時光」を鑑賞。
主演は、一青窈、浅野忠信。脇を小林稔侍、余貴美子、萩原聖人が固める。小津安二郎監督の生誕100年にささげるとのコピー。東京物語のオマージュとも。
静かに始まり、穏やかにストーリーは展開する。が、その主人公、陽子はおいたちのなかで、かなり複雑な育ち方をして、目の不自由な親戚に育てられ、実の父とは疎遠。義理の母と実の父に、突然、妊娠しており、未婚の母親になることを告げるところからストーリーは歩幅を広げて、展開してゆく。
ロケで使われた「エリカ」という喫茶店や、そのマスター。あわただしい東京のJR車内の風景が、いい雰囲気です。2003年ころとはいえ、列車の交錯するシーンは、なかなか風情がありました。
実の母でない余貴美子扮する母親と、1度は娘を捨てた実の父。そのあたりの設定が、東京物語とリンクする点か。前半、定位置での固定カメラワークもみられたが、小津監督とは異質の質感であった。監督、脚本、カメラ、編集と台湾のスタッフ。当然と言えば、当然か。一青も浅野も、それぞれの生い立ちが複雑。そのあたりのキャステイングもあったのか。現代の日本の人間模様を伝えているといわれれば・・。
鑑賞後、いろいろと語る。映画好きと飲んで食べての会話は楽しい。次回は、やくざ映画だそうだ。