ブリコルールの日々

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私にとっての合気道

2013-09-06 19:56:00 | 合気道

初対面の方に、「なにか、スポーツは?」と尋ねられて「合気道を少々」と答えると、怪訝そうな顔をされます。

 

 

それは私の体が、かなりガリガリ・ガリクソン。とても武道とはイメージがかけ離れているようにに見えるからでしょう。手も足も、若い女性に羨ましがられるほどに、スリム&スリーク。実際、自分でも早朝の稽古に通えていることが不思議です。

 

内田樹先生との出会いで、合気道に入門させていただいたわけですが、何度か「えらい世界に、首を突っ込んでしもた」と正直、後悔したことも・・。当初は、右も左も分からず、ただ見よう見まね。それほどに、難しい要素を含んだ武道です。

 

10数年前、内田先生に「合気道はいいよ~」とお薦めしていただいた際に、すぐに入門していれば、今より断然、若くて、体力も残っていたし、覚えも早かったに違いない。しかし、当時はプレイヤーとしてサロンにフルに出ていましたし、毎日する仕事が山ほどあり、一日を終えると、ぐったり。分刻みで時間に追われる日々でした。

 

身体が資本のフリーランス。以前に、左手中指を剥離骨折して、数ヶ月間仕事からは離れていたこともあり、怪我が何より怖い。おそらく、当時に入門していても続けられていたかどうか・・・。

 

何故、いま続いているかというと、時間的余裕が出来たせいもありますが、いくつかの「気づき」があったからに違いありません。

 

 

ひとつは、「呼吸法」の凄さ。

 

これには本当にびっくりでした。みなさんは、普段の生活で肺がはち切れんばかりに空気を吸い込み、思い切り吐ききるようなことがおありだろうか。長い人生のなかで、何回くらい呼吸をされると思いますか。真に深い呼吸を。

 

呼吸は、血液を身体中に行き渡らせるマッチポンプ。横隔膜が押し上げられ、再び下がるごとにフレッシュな血が脳や臓器を巡り、酸素や栄養分を運んで、老廃物をリンパから押し出していく。命の源といっても過言ではないでしょう。

 

合気道の稽古後は、梅雨が明けた後の数日の、乾いて透き通った空のように、身体が軽く、気持ちよくなる。皆さんにもぜひ、一度は体験していただきたい清々しさなのです。

 

 

 

 

そして、自ら考えて、『悟る』ことの大切さ。

コーチングを学び、それは確信にかわっていますが、答えを先に知ってしまうと、人間はそれ以上、考えることをやめてしまう傾向がある。悟りに至るまでのプロセスこそが、より深い気づきと変化に対応できる能力をブラッシュ・アップさせてくれます。

 

技術という分野でも共通することと思いますが、もともと器用な人ほど60~70%の理解で終わる。ちょっと出来たら、それで到達した気持ちになるからでしょう。努力を止めてしまう。悟りのゴールを100(ゴールなんてありえませんが)とするならば、90、いや120に到達するのは不器用なひとの方が、はるかに多いように思います。

 

稽古の際、次々に教えていただく「技」が変わっていきます。

 

最初の頃、一つの技を納得のいくまで、なぜ教えていただけないのだろうと疑問でした。全体を俯瞰するまで、雲の上をただ歩くような不安でいっぱい。しかし、やはり武道においては「生きるか、死ぬか」が最終的に試される。いつ何時、敵に襲われても、「災い」から逃れる術を学ぶことだと。災いを、事前にキャッチして、きびすを返して逃れることが最良の極意であると。

 

合気道には試合というものがありません。

人と比較するのではなく、すべては己のなかにある。

 

2年ほど前、稽古の途中に激痛。長い立ち仕事のせいでしょうか、右ひざの半月板を損傷して、内視鏡での手術を経験しました。関節の間の薄い膜が、めくれてロッキングすることで、曲げるたびに激痛が走る。

 

迂闊なことに、術後も、仕事があるとリハビリをせず、すぐに退院したせいか、長らく手足の指のしびれに悩まされました。お医者様にお訊きすると、術後のリハビリを怠ると血栓をおこしてしまうとのこと。指先に血液が届きにくくなっていたのです。当時は、ギターも弾けずに、かなり凹みました。

 

それでも、少しずつ稽古を始めて、根気よく続けてきたせいでしょうか、ようやく、この数ヶ月前にほぼ完治。以前よりも、関節が鍛えられ丈夫になってきたと感じます。

稽古を休んでいる間、「逃げている」なんてtwitterでつぶやかれたこともありました。そんなことも気にかけない「心の強さ」も学びました。他者には、身体の内側の不調や障害を、真の意味で理解してもらうのは困難ですから。

 

 

他にも、合気道は様々な面での学びに溢れています。

 

イラチで、思い込みの激しいことに対しても、「変化を恐れないことは大切ですが、決めつけてはならない」という教訓を得たように思います。常に全体を俯瞰し、逆の方向からも見返してみる。技のちょっとした変化には、まだまだ対応能力が足りません。

 

経済、流行、人心など日々変化していく事象に、動じず、変化して対応していける柔軟性を身につけたいと・・。

 

 

まだまだ、書きたいこともありますが、長くなるので、またの機会に。

 

合気道でも、ヨガでもよいですから、まずは「深い呼吸」を経験し、実践して、続けていただきたい。

 

呼吸法の恩恵は計り知れないです。私が、ご呈示できます最良の健康法のひとつだと確信します。

 

 

 

 

◆内田樹師範の師匠であられます多田宏師範の演武を。御歳80歳にはとても見えません。

 http://youtu.be/fFjUBNldmHw

 

 

 

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