ブリコルールの日々

キャッチし、発信するアンテナ。ANTENNE アンテーヌ 芦屋・宝塚・三田よりのレアで@な情報発信基地より

シネマ部にて「県警と組織暴力」 鑑賞

2014-01-28 21:07:55 | MOVIE

日本のヤクザ映画をご覧になったことは?

 

 

 

私自身、子供のころに高倉健さんや勝新太郎さん、鶴田浩二さん、池辺良さんなどの作品や、最近では北野武監督の「アウトレージ」シリーズなどを観ている程度で、それほどの知識はありません。

映画史をみてみると、おそろしい数の任侠ものシリーズが存在しているのがわかります。

 

今回、新しいメンバーの一人、東Kさんの担当でした。

彼が、学生のころに観て、たいへん感動した作品だということで・・。

 

 

 

日本の任侠ものと言えば、悪い親分や政治家や社長を、義理と人情に厚いヒーロー的主人公が、勧善懲悪で懲らしめるパターンや、渡世の義理人情のため、自分を犠牲にして破滅の道を選ぶというような内容のものが圧倒的に多い。

 

今回の作品は、少し毛色が異なるものでした。

 

市警の刑事(菅原文太)が、ひとりのヤクザ(松方弘樹)に情けをかけ、惚れ込んで、その結果、自滅していくというストーリーです。

上司である県警の捜査官に梅宮辰夫。悪徳政治家に金子信雄という判で押したような典型的キャスティング。これに、ピラニア軍団と呼ばれた大部屋の俳優陣(室田日出男、川谷拓三など)が絡みます。

 

大声で恫喝し、どたばたと出入りが行われる。女性を道具のように扱うシーンや、殺戮のシーンでは、ジタバタとカッコよくとはいきません。かなりリアルな演出の深作欣二監督の作風。

最後のシーンの必要性で、議論が盛り上がりました。

 

レイモンド・チャンドラーの「ロング・グッド・バイ」のようにはいかなかったけど、男の友情に取り組んだ作品として評価できる内容。

 

 

 

昭和の時代に無数に製作された任侠ものシリーズの元をたどれば、やはり欧米映画の西部劇のアイデア借用から始まっていることは間違いないでしょう。「網走番外地」に登場する酒場は、まるで西部劇のサロンそのもの。畳が敷いてあったりしますが・・。

 

もちろん、逆輸入の形でハリウッドに影響を与えた作品も存在します。

 

 

 

 

その代表が、黒澤監督の「七人の侍」ですね。

 

志村喬や三船敏郎は、ほんとうに素敵でした。

 

この映画に影響を受けて、「荒野の7人」が作られたのはご存じの通り。

 

 

 

 

侍映画や任侠もの、あるいは西部劇、マカロニ・ウエスタン、ギャングものなんかでも、大きく二つの傾向があると感じます。

 

荒唐無稽、実際にはあり得ないようなパターンで、どんどん人を、1本の刀で切り捨てたり(居合の専門家によると、実際には、竹光だからできるのであって、真剣だと重さと血糊で3~4人が限界だそう)、恐ろしい数の人間を撃ち殺す(なぜか銃弾飛び交う中、主人公は無傷)など、映画的演出に走ったエンターテイメントな作品。

 

一方で、リアルでCOOLに、事実に則し、登場人物の内面の心情に迫るものも存在(先日の「許されざる者」など)します。

きっと、何本かは、ご覧になったことがおありかと。

 

 

 

しかし、やはりスマートさでは、圧倒的にハリウッド映画に軍配が上がります。

 

 

 

 

「ゴッドファーザー」や「ワンスアポン・ナ・タイム・イン・アメリカ」のようにスマートさはない。現在では、邦画もスマートでお洒落になったものですが。

 

 

 

 

その歴史の流れでのエポック的な存在が、三船敏郎主演の「用心棒」とイーストウッド主演の「荒野の用心棒」と言われています。

 

 

 

 

このあたり、長くなりますのでまたの機会に。

 

東Kさん、シネマ部では初めての任侠もの。

ご担当、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 


森くんよりのご指摘

2014-01-28 20:24:17 | ひとりごと

昨日の日本の農業、植物工場に関するブログに、森社長から、直接メールで追加説明とご指摘をいただいたので、修正させていただきたく、以下にまとめてみました。

 

植物工場に関しては、以下のサイトの動画(7分くらいから)にて。

 http://blog.goo.ne.jp/antenne_navi/e/df90f8d37bad883963b6d25da95d431e

 

まず、植物工場での味の調整に関してですが、あまり細かく書くと、企業秘密でもありますし、突っ込みたくなる人も出ると思われますので、要点だけを書かせていただきます。

 

・温度を下げると成長が遅くなり、味は甘いほうに傾きます。

・温度を上げると水をたくさん吸収して水臭くなります。

・照明時間を延長すると、成長速度はそれに比例して速くなり、食感は硬めで苦くなります。

・照明時間を短縮すると柔らかくなって色が薄くなります。    

 

 

つぎに、「スマートアグリ」に関してですが、これは定義がすごく難しいとのことです。

 

オランダは確かに世界一の農業国ですが、農業を行う上で恵まれた環境の下、太陽光を利用した農業を行っているそうです。

風も適度にあり、太陽にも恵まれ、かつ湿度が適当に低いため、温室の温度制御も、霧を飛ばすだけで、十分温度が下がる。したがって、安定した気候条件で栽培をソフト化するのは技術的にそう難しいことではないと。

 

それに対して、日本では、気象環境の変化が激しく、湿度も高いことから、オランダ式のハウス農業をおこなってみたものの、ことごとく失敗に終わったそうです。今後もめどが立っていないとのこと。

 

そうした背景をもとに日本で開発、発達してきたのが、完全人工光型植物工場だということです。

 

したがって、「日本でスマートアグリというと、植物工場といっていいと思う」とは森社長のお言葉。

 

「また、日本型農業は、環境が一定であるために、世界中どこでもおんなじ野菜を作ることができます。これらの栽培制御をICTを使って拡大しようというのが植物工場の現在ですよ」。

 

「植物工場の中での栽培は、遺伝子の組み換えのようなことは一切しておらず、野菜の成長の仕組みをしっかり尊重して、環境を最適化しているだけ」だそうです。

 

つまり、「不足する野菜を、余っている深夜電力で栽培し、温暖化で問題になっているCO2を取り込んで野菜に固定化する。したがって、これほど安全で環境にやさしい農業はないと思ってもらって結構です」と理路整然としたメールにて、ご回答してくださいました。

 

わたしも、土地の狭い日本では、平面でなく、空間利用できる植物工場が固有の風土に適していると思います。

 

森くん、ほんとうにありがとうございました。

専門家に補足説明とご指摘いただき、感謝しています。

 

最後に、森くんからのメッセージを。

「植物工場が増えても、露地栽培を圧迫することには決してなりません。農業をやりたい若者に、どんどん参画して欲しいと願っています」。

「21世紀では、工業は海外へ、農業は国内へとという時代になると考えています。ですから、もっと、経済的に報われる『儲かるビジネス』に若者が農業を変革して欲しいといつも願っています」とのことでした。

 

 

みなさん、失礼いたしました。正しいご理解のほど、よろしくお願いいたします。