一目で吸い込まれてしまう。そんな絵画に出会えた人生は・・。
ブログにコメントを書き込んでくださったKさまから、教えていただいた原田マハさんの「楽園のカンヴァス」を読了。
ページをめくるのがもどかしく感じられるミステリー仕立ての物語でした。下の絵画に見覚えが、おありではありませんか?
アンリ・ルソーの作品「夢」です。
美術の世界と聞くと、敷居の高さを感じてしまいがちでしょう。さらに、舞台がフランス・バーセルで、主人公は日本女性とアメリカ人男性と書くと・・。
ところがさにあらず、とても読みやすいのです。主人公のティム・ブラウンの心理描写を軸に、画家のルソーやピカソの登場する謎解きミステリーとしても楽しませてくれます。
ルソーの作品「夢」と「夢をみる」の素晴らしさや、写実主義から抽象画、シュールレアリズムへと変化する時代に生きた、ピカソ、ドガ、トゥールーズ・ローレック、コクトー、アポリネール、ローランサンなどの芸術家たちとの関わりの中で、美術に興味が湧かれることは間違いないと思います。劇中に登場する絵画を集めたサイト。↓
http://matome.naver.jp/odai/2135955626248173201
最後は、ほのかに恋愛も匂わせる大団円。地位や名誉、私利私欲ではなく、信念を持って生きる人に幸せは舞い降りる。
読後感も、とても爽やかです。
作者のマハさんの経歴を調べると、実際にキュレーターでらしたんですね。美術館の運営、美術館の監視員、キュレーターの仕事内容、新聞社の展覧会の仕組み、絵画コレクターなどの世界も勉強になりますよ。
おすすめの一冊です。
いつも、お立ち寄りいただき感謝しています。