ブリコルールの日々

キャッチし、発信するアンテナ。ANTENNE アンテーヌ 芦屋・宝塚・三田よりのレアで@な情報発信基地より

「楽園のカンヴァス」

2015-11-30 19:35:23 | 書籍紹介

一目で吸い込まれてしまう。そんな絵画に出会えた人生は・・。




ブログにコメントを書き込んでくださったKさまから、教えていただいた原田マハさんの「楽園のカンヴァス」を読了。

ページをめくるのがもどかしく感じられるミステリー仕立ての物語でした。下の絵画に見覚えが、おありではありませんか?

アンリ・ルソーの作品「夢」です。



       f:id:autres:20151130192807j:image



美術の世界と聞くと、敷居の高さを感じてしまいがちでしょう。さらに、舞台がフランス・バーセルで、主人公は日本女性とアメリカ人男性と書くと・・。


ところがさにあらず、とても読みやすいのです。主人公のティム・ブラウンの心理描写を軸に、画家のルソーやピカソの登場する謎解きミステリーとしても楽しませてくれます。



ルソーの作品「夢」と「夢をみる」の素晴らしさや、写実主義から抽象画、シュールレアリズムへと変化する時代に生きた、ピカソ、ドガ、トゥールーズ・ローレック、コクトー、アポリネール、ローランサンなどの芸術家たちとの関わりの中で、美術に興味が湧かれることは間違いないと思います。劇中に登場する絵画を集めたサイト。↓


http://matome.naver.jp/odai/2135955626248173201



最後は、ほのかに恋愛も匂わせる大団円。地位や名誉、私利私欲ではなく、信念を持って生きる人に幸せは舞い降りる。

読後感も、とても爽やかです。



作者のマハさんの経歴を調べると、実際にキュレーターでらしたんですね。美術館の運営、美術館の監視員、キュレーターの仕事内容、新聞社の展覧会の仕組み、絵画コレクターなどの世界も勉強になりますよ。


    f:id:autres:20151130193123j:image:w360


おすすめの一冊です。


いつも、お立ち寄りいただき感謝しています。