だいすき

基本的に自分の好きなものについて綴っていきます。嫌いなものやどうでもいいこと、さらに小説なんかもたまに書きます。

最も悲劇的なラスト

2009年08月30日 00時30分35秒 | あなたへ
 広江礼威先生の漫画『BLACK LAGOON』の初期エピソードに、壊れた双子が出て来る。

 互いに『兄様』『姉様』と呼び合う彼等は、悲惨な境遇の為、幼いながらにして快楽殺人者となり、主人公達の住む無法の街で、暴れまわった挙句に殺される。

 『兄様』は狙撃され、『姉様』は逃亡の地で撃たれる。

 主人公は『姉様』を逃がす船の上で彼女と会話し、その壊れ具合に涙を流す。

『もしも、どこかで誰かが、彼等を抱きしめていれば。たった一度でも彼等を優しく抱きしめていれば、こんなことにはならなかった。今ごろ同い年の子供達と同じように学校に行き、笑いあっていたはずだ。どこかで誰かが抱きしめてさえいれば』

 それを聞いた同僚は言う。

『でも誰もしなかった。誰もしなかったんだよ。だから、この話はここで終わるんだ』

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