だいすき

基本的に自分の好きなものについて綴っていきます。嫌いなものやどうでもいいこと、さらに小説なんかもたまに書きます。

黒い世界

2008年11月19日 01時20分32秒 | 重要ではないけれど
『なんにもないところに生まれてね なんにもないところに消えていくんだ』
 (『PALM』 著:獣木野生)

 やりたくても出来ないこと、というものが僕には沢山ある。

 不可能が多すぎる、といえばわかるかな。

 だから僕は「夢は必ずかなう」とか「努力すればいつかは」なんてことは信じないし、口にもしない。

 無理なものは無理。

 そういう生き方をしている。

 でも僕は、退屈しない人生というものを知っているから、

 諦めるということをしない。

 常に『不可能』に挑み続けている。

 それでも挑む相手が『不可能』なのだから、『絶望』という奴とも仲良しだ。

 今日の『絶望』はまた珍しいほど深かった。

 ここまで出口が見えないことも珍しい。

 お陰で稀有な体験をしたので記しておく。

 目をつぶると暗闇が訪れる。
 周りが明るい場合はそこまでではないかもしれないけれど、まぁ、暗くなる。
 だが、それとは違う黒が今日は生じた。
 ドロとした粘着質な、少し油まみれの重たい黒。
 それが僕の頭の中を黒く塗りつぶした。
 正確には、脳内で生み出すことの出来る空間全てが黒く塗りつぶされた。
 少し吃驚したけど、面白かったので、それを意識的にさげてみた。
 つまり、首から下も黒く塗りつぶした。
 重くドロリとした黒が、僕の身体と、体感できる全てを黒く塗りつぶしていく。
 全てが黒に浸かると、『身体』という感覚が消え去った。
 僕の身体が黒に交わり、そこに存在するのは自我だけとなった。
 光も明日もない、完璧に黒い世界に、僕の意識のみが存在していた。

 もちろん、これは頭の中で思い描いたイメージの話だよ。

 ただちょっと愉快だったからさ、僕の『絶望』が。

 いや、正直云えば、僕はこれまでに全てを乗り越えてきたから、今回の件ものりきる自信はある。

 いまは凄いへこんでいるけれど、まぁ、幾日かすればいつも通りさ。

 その自信からだろうね。いまの『絶望』を楽しんでいられる。

 こんなにも自分は無力なんだ、と。

 どう足掻いても良くする方法は存在しない、と。

 こんなにも力強く確信できたのはホント久し振り。

 あまりに不可能だから、逆に清々しい気分だよ。

 冒頭の台詞は僕の好きなこの漫画の中でも、一、二を争うほど大好きな台詞。

 何の役にも立たない空っぽな『僕』という存在を実に的確に表してくれているような、そんな素敵な台詞。

 ついでだから、一、二を争っているもうひとつの台詞も載せておこう。

『ある朝、目を覚ますと窓が開いていて、君は気づく。待ち望んでいたものの中にいる自分に』

 夢を見ては破れ

 破れてはまた夢を見る。

 そんな懲りることのない人生を、好んで歩いている。

 いまはこんなにも黒い世界だけど、

 すぐに抜け出して、

 次こそは僕の望む世界を掴むんだ。

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