『なんにもないところに生まれてね なんにもないところに消えていくんだ』
(『PALM』 著:獣木野生)
やりたくても出来ないこと、というものが僕には沢山ある。
不可能が多すぎる、といえばわかるかな。
だから僕は「夢は必ずかなう」とか「努力すればいつかは」なんてことは信じないし、口にもしない。
無理なものは無理。
そういう生き方をしている。
でも僕は、退屈しない人生というものを知っているから、
諦めるということをしない。
常に『不可能』に挑み続けている。
それでも挑む相手が『不可能』なのだから、『絶望』という奴とも仲良しだ。
今日の『絶望』はまた珍しいほど深かった。
ここまで出口が見えないことも珍しい。
お陰で稀有な体験をしたので記しておく。
目をつぶると暗闇が訪れる。
周りが明るい場合はそこまでではないかもしれないけれど、まぁ、暗くなる。
だが、それとは違う黒が今日は生じた。
ドロとした粘着質な、少し油まみれの重たい黒。
それが僕の頭の中を黒く塗りつぶした。
正確には、脳内で生み出すことの出来る空間全てが黒く塗りつぶされた。
少し吃驚したけど、面白かったので、それを意識的にさげてみた。
つまり、首から下も黒く塗りつぶした。
重くドロリとした黒が、僕の身体と、体感できる全てを黒く塗りつぶしていく。
全てが黒に浸かると、『身体』という感覚が消え去った。
僕の身体が黒に交わり、そこに存在するのは自我だけとなった。
光も明日もない、完璧に黒い世界に、僕の意識のみが存在していた。
もちろん、これは頭の中で思い描いたイメージの話だよ。
ただちょっと愉快だったからさ、僕の『絶望』が。
いや、正直云えば、僕はこれまでに全てを乗り越えてきたから、今回の件ものりきる自信はある。
いまは凄いへこんでいるけれど、まぁ、幾日かすればいつも通りさ。
その自信からだろうね。いまの『絶望』を楽しんでいられる。
こんなにも自分は無力なんだ、と。
どう足掻いても良くする方法は存在しない、と。
こんなにも力強く確信できたのはホント久し振り。
あまりに不可能だから、逆に清々しい気分だよ。
冒頭の台詞は僕の好きなこの漫画の中でも、一、二を争うほど大好きな台詞。
何の役にも立たない空っぽな『僕』という存在を実に的確に表してくれているような、そんな素敵な台詞。
ついでだから、一、二を争っているもうひとつの台詞も載せておこう。
『ある朝、目を覚ますと窓が開いていて、君は気づく。待ち望んでいたものの中にいる自分に』
夢を見ては破れ
破れてはまた夢を見る。
そんな懲りることのない人生を、好んで歩いている。
いまはこんなにも黒い世界だけど、
すぐに抜け出して、
次こそは僕の望む世界を掴むんだ。
(『PALM』 著:獣木野生)
やりたくても出来ないこと、というものが僕には沢山ある。
不可能が多すぎる、といえばわかるかな。
だから僕は「夢は必ずかなう」とか「努力すればいつかは」なんてことは信じないし、口にもしない。
無理なものは無理。
そういう生き方をしている。
でも僕は、退屈しない人生というものを知っているから、
諦めるということをしない。
常に『不可能』に挑み続けている。
それでも挑む相手が『不可能』なのだから、『絶望』という奴とも仲良しだ。
今日の『絶望』はまた珍しいほど深かった。
ここまで出口が見えないことも珍しい。
お陰で稀有な体験をしたので記しておく。
目をつぶると暗闇が訪れる。
周りが明るい場合はそこまでではないかもしれないけれど、まぁ、暗くなる。
だが、それとは違う黒が今日は生じた。
ドロとした粘着質な、少し油まみれの重たい黒。
それが僕の頭の中を黒く塗りつぶした。
正確には、脳内で生み出すことの出来る空間全てが黒く塗りつぶされた。
少し吃驚したけど、面白かったので、それを意識的にさげてみた。
つまり、首から下も黒く塗りつぶした。
重くドロリとした黒が、僕の身体と、体感できる全てを黒く塗りつぶしていく。
全てが黒に浸かると、『身体』という感覚が消え去った。
僕の身体が黒に交わり、そこに存在するのは自我だけとなった。
光も明日もない、完璧に黒い世界に、僕の意識のみが存在していた。
もちろん、これは頭の中で思い描いたイメージの話だよ。
ただちょっと愉快だったからさ、僕の『絶望』が。
いや、正直云えば、僕はこれまでに全てを乗り越えてきたから、今回の件ものりきる自信はある。
いまは凄いへこんでいるけれど、まぁ、幾日かすればいつも通りさ。
その自信からだろうね。いまの『絶望』を楽しんでいられる。
こんなにも自分は無力なんだ、と。
どう足掻いても良くする方法は存在しない、と。
こんなにも力強く確信できたのはホント久し振り。
あまりに不可能だから、逆に清々しい気分だよ。
冒頭の台詞は僕の好きなこの漫画の中でも、一、二を争うほど大好きな台詞。
何の役にも立たない空っぽな『僕』という存在を実に的確に表してくれているような、そんな素敵な台詞。
ついでだから、一、二を争っているもうひとつの台詞も載せておこう。
『ある朝、目を覚ますと窓が開いていて、君は気づく。待ち望んでいたものの中にいる自分に』
夢を見ては破れ
破れてはまた夢を見る。
そんな懲りることのない人生を、好んで歩いている。
いまはこんなにも黒い世界だけど、
すぐに抜け出して、
次こそは僕の望む世界を掴むんだ。
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