スッゴイ久し振りに『小説が好き』のカテゴリーを更新します。今まで本を読んでないわけじゃないですが、シリーズ物が多かったため、なんとなく書き辛かったのです。
といっても、今回の『僕は天使の羽を踏まない』もある意味ではシリーズ物なのですが。
皆さんは『魍魎戦記魔陀羅』という漫画をご存知でしょうか。漫画家田島昭宇先生のデビュー作で、かなり古い作品です。確かファミコン全盛期で、ゲーム雑誌に連載されていたんじゃないかな。最初は普通の漫画だったと思うのですが、人気があったかなにかで、主人公達が転生を繰り返し物語が続いていくという形を取ったと思います。その数108.主人公達が108回転生を繰り返し、その全てが発表されるということでしたが、当然そんなはずはなく、一体いくつ発表できたかも知りませんが、原作者である大塚英二先生の描く『僕は天使の羽を踏まない』が、おそらく最後の物語になるんだと思います。
この小説、たぶん『魍魎戦記魔陀羅』を知らないでも楽しめると思います。僕だって、このシリーズの全てを把握しているわけではないですから。
これは、少女が少年と出会い、旅の後で夢から醒める物語です。
作者はこの『夢から醒める』というやつを物語の登場人物のみでなく、現実の読者の対しても求めています。求める、というのは正確ではないですが、物語世界に没頭する読者に現実を突きつけて、夢から醒めるように仕掛けてきます。これは作者の考え方が現れているからで、良いか悪いかは個人の判断に任せるとして、僕は嫌いではありません。
ただ一点どうしても気になったのが、夢から醒めればそれでいいのか? ということです。
この物語、主人公達は夢から醒めた後、二人で現実と向き合おうとします。一人ではないですし、夢が終わったことを認識しているからです。
でも、読者はどうでしょう。手元に残ったのはなにもなく、ただ夢が終わったことを告げられただけ。相変わらず独りの人は独りのままですし、立ち向かう現実が見えていない人は見えていないままだと思います。つまり、夢から醒めてもなにも変わっていないというという事です。
それが悪いとは云いません。あくまで娯楽としての小説に、そこまで求める必要はないのかもしれません。でも、それではあまりにも寂しいと僕は思うのです。
せっかく望んで見た夢です。目が醒めた後には、なにかが残っていた方がいいと思うのです。
夢から醒めるのは大事です。終わらないものなど一つもなく、その終わりをしっかりと書ききるのは素晴らしいと思います。そんな素晴らしい考えに基づいて書いているのですから、しっかりと心に残る夢を見せてあげたほうがいいと思います。
この小説は面白かったです。永い物語の終焉が、しっかりと描かれていて楽しめました。欲を言うならばそれだけではなく、夢の最中に彼等がなにかを手にするような物語が読みたかったです。たぶん、夢の中で手に入れられるものは一つもない、という物語なのだとは思いますが。
物語が終わる。夢から醒める。それはすごく大事で、現実的なこと。そこをしっかりと書ききった『僕は天使の羽を踏まない』が好き。
といっても、今回の『僕は天使の羽を踏まない』もある意味ではシリーズ物なのですが。
皆さんは『魍魎戦記魔陀羅』という漫画をご存知でしょうか。漫画家田島昭宇先生のデビュー作で、かなり古い作品です。確かファミコン全盛期で、ゲーム雑誌に連載されていたんじゃないかな。最初は普通の漫画だったと思うのですが、人気があったかなにかで、主人公達が転生を繰り返し物語が続いていくという形を取ったと思います。その数108.主人公達が108回転生を繰り返し、その全てが発表されるということでしたが、当然そんなはずはなく、一体いくつ発表できたかも知りませんが、原作者である大塚英二先生の描く『僕は天使の羽を踏まない』が、おそらく最後の物語になるんだと思います。
この小説、たぶん『魍魎戦記魔陀羅』を知らないでも楽しめると思います。僕だって、このシリーズの全てを把握しているわけではないですから。
これは、少女が少年と出会い、旅の後で夢から醒める物語です。
作者はこの『夢から醒める』というやつを物語の登場人物のみでなく、現実の読者の対しても求めています。求める、というのは正確ではないですが、物語世界に没頭する読者に現実を突きつけて、夢から醒めるように仕掛けてきます。これは作者の考え方が現れているからで、良いか悪いかは個人の判断に任せるとして、僕は嫌いではありません。
ただ一点どうしても気になったのが、夢から醒めればそれでいいのか? ということです。
この物語、主人公達は夢から醒めた後、二人で現実と向き合おうとします。一人ではないですし、夢が終わったことを認識しているからです。
でも、読者はどうでしょう。手元に残ったのはなにもなく、ただ夢が終わったことを告げられただけ。相変わらず独りの人は独りのままですし、立ち向かう現実が見えていない人は見えていないままだと思います。つまり、夢から醒めてもなにも変わっていないというという事です。
それが悪いとは云いません。あくまで娯楽としての小説に、そこまで求める必要はないのかもしれません。でも、それではあまりにも寂しいと僕は思うのです。
せっかく望んで見た夢です。目が醒めた後には、なにかが残っていた方がいいと思うのです。
夢から醒めるのは大事です。終わらないものなど一つもなく、その終わりをしっかりと書ききるのは素晴らしいと思います。そんな素晴らしい考えに基づいて書いているのですから、しっかりと心に残る夢を見せてあげたほうがいいと思います。
この小説は面白かったです。永い物語の終焉が、しっかりと描かれていて楽しめました。欲を言うならばそれだけではなく、夢の最中に彼等がなにかを手にするような物語が読みたかったです。たぶん、夢の中で手に入れられるものは一つもない、という物語なのだとは思いますが。
物語が終わる。夢から醒める。それはすごく大事で、現実的なこと。そこをしっかりと書ききった『僕は天使の羽を踏まない』が好き。
「魍魎戦記魔陀羅」は知りませんねえ。田島昭宇先生の作品では現在も連載中の「多重人格探偵 サイコ」を読んでいます。あれはとってもグロいけれど、内容がスリリングで面白いです。唯一の欠点は、刊行スピードが遅いことでしょうか。
田島先生の作品は結構読みましたが、恐ろしく絵の上達が早くて素晴らしいですね。上達がわかりやすい、問い雨天では小説が劣っている気がします(笑)。
そんなkouさんにぜひ嶽本野ばら (たけもとのばら) さんの本を読んでいただきたいです (もう読んでいらっしゃるかもしれませんが)。オススメは「ミシン」と「ロリヰタ。」、これは主人公たちが凄くかわいそうな物語ですが「エミリー」もいいです。とにかく登場人物の巻き起こす恋愛といい、過去といい、どれをとっても僕のツボな小説です。
あと、掲示板に書き込んでいただいたのにレスが送れてすみませんでした。書いておきましたので時間が許すのであればのぞいてくださると光栄です。
読んでいる最中、ずっとイトウさんに薦めたいなぁ、と思っていました。文体なのか、世界観なのか上手くいえませんが、とにかくイトウさんに合う小説だと思ったのです。
どうでもいいことも、もの凄く激しいことも、淡々と書ききる、そんな本が僕の抱くイトウさんのイメージとすごくマッチしています。
獄本野ばら先生、読んでみたいですね~。前からイトウさんお勧めというのは知っていましたから。後は桜庭一樹先生も読んでみたいです。
はぅ~、いつになることやら。
掲示板見てきましたよ~。認定証が眩しかったりして^^
会員番号1番に恥じぬよう、また書き込みしにいますね。
ではでは~。