だいすき

基本的に自分の好きなものについて綴っていきます。嫌いなものやどうでもいいこと、さらに小説なんかもたまに書きます。

ありふれた話

2007年11月29日 00時24分29秒 | 嫌い
 久し振りの友人と街で会う。

「元気?」

「最近どうよ?」

「ちょっとお茶でも飲んでかない?」

 なんてお定まりの会話をしてみると、

「これから子供迎えにいかなきゃならないんだよ」

 驚きの台詞が返ってきた。

「子供いるの? えっ! 聞いてないよ」

「違う、妹の子。妹さ、旦那が仕事辞めちゃって、キャバ嬢やってんの。で、預けた子供を私が迎えにいくの」

 なぁんだ、そういうこと。

 僕は納得して別れたよ。

 そういえば、友人は首に白いものを巻いててさ、会った時に「それ、マフラーだよね?」なんて、現実逃避的な質問をしたら、「ううん、コルセット」と素直な返事が返ってきたっけ。
 肩こりが酷くて炎症起こしちゃって、一週間ぐらい前からつけてんだってさ。

 これはそこら辺に溢れているつまらない話。

 人通りの多い場所で目をつぶって石を投げたら、当たった人間はこれと同じようなエピソードをゴロゴロ持っているに違いない。

 満員電車の中で僕を押し潰そうとしている人達はもっと悲惨なエピソードを持っているに違いない。

 新聞に載る価値もない、つまらない、ありふれた世間話。

 だから、こんな話を聞いてため息をついてしまう僕の方が、きっとどこかおかしいんだ。

 ポケットに手を入れ、背中を丸めて歩き出してしまう僕の方が異常なんだよ。

 僕はそんな当たり前でない自分自身が大っ嫌いなんだ。

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