だいすき

基本的に自分の好きなものについて綴っていきます。嫌いなものやどうでもいいこと、さらに小説なんかもたまに書きます。

矢吹駆シリーズ

2008年11月09日 02時50分01秒 | 小説が好き
 ひとつ前の記事と関連して、この話も書いておこうと思う。

 『矢吹駆シリーズ』。笠井潔先生の『ヴァンパイヤー戦争』と並ぶ代表作。

 今回発売された『オイディプス症候群』の解説によると、現在発表されているのは、

 『バイバイ、エンジェル』

 『サマー・アポカリプス』

 『薔薇の女』

 (いわゆるここまでが初期三部作)

 『哲学者の密室』

 『オイディプス症候群』

 さらには先ごろ完結したという『吸血鬼の精神分析』と、現在連載中の『煉獄の時』があるという。

 だけど、この解説が少しおかしくて、まず『吸血鬼の精神分析』。これが完結したと書いておきながら、タイトルの後に(未完)とつけているんだよね。未完の状態で完結したということなのかな? それにこの作品を第6作としているんだけど、先ごろ発売された『青銅の悲劇』は何作目に数えているんだろう。というか、これの話が少しも出てないし、この『青銅の悲劇』と『吸血鬼の精神分析』が同じ作品という意味なのかな。(雑誌掲載時と単行本発売時でタイトルが代わるのはよくある話)
 さらに云うと矢吹駆最初の犯罪と銘打たれた『熾天使の夏』にもまったく触れていない。

 なんだかよくわからないけど、まぁ、それだけの作品があるということ。

 そのどれもが面白くお薦めではあるんだけど、僕が特に感動したのは『サマー・アポカリプス』だね。

 これはなにが凄いって、推理小説でありながら物語の主題が推理合戦でも犯人逮捕でもないところだね。

 現象学を操る矢吹駆と、ある登場人物との思想的対決がメインなんだ。

 その他のことはそのメインテーマを語る上でのおまけに過ぎないんだ。

 この思い切りのよさが面白い。

 いや、もちろん他にも面白いところは沢山あって、どの話も多かれ少なかれ僕に影響を与えた傑作である。

 正直、読書に不慣れな人には読み辛いかもしれないけど、出来たらチャレンジしてほしい。

 きっと、あなたの人生も変わると思うな。

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