Ｓ・Ｂ・Ｒ

　荒木飛呂彦先生の描く『スティール・ボール・ラン』が面白い。
　人生賛歌をテーマに書かれていた『ジョジョの奇妙な冒険』の第七部にあたる作品なのだが、今回はそれがわかりやすい形で表現されていると思う。
　それは第二話を読んでもらえばよくわかると思う。二話の最後に、両足を悪くした主人公のモノローグがある。

『これは僕が歩き出す物語だ。肉体的にという意味でなく、青春（こども）から大人へと……』

　これだけでもう、この漫画がどういうものかがよくわかる。さらに十巻でこの主人公は絶望の音を聞く。暗き闇の淵へと誘う音に囚われ、自分を見失いそうになる。
　そんな主人公を励ます戦友の言葉で十巻は終わってしまう。
　雑誌を読んでいない僕としては今後の展開が気になってしかたがない。

　艱難辛苦を乗り越え、その先の光を目指す一大レース。
　荒木飛呂彦先生の描く『スティール・ボール・ラン』がすき。