BLロック王子小説「ディスティニーアンダー・グラウンド-ギターとスターに愛され過ぎた王子-」

 ★過去に傷を持つ美貌のロックギタリスト遠藤麻也(まや)。運命の恋人・日向 諒と東京ドームに立つが…

★BLロック王子小説21-56「ディスティニーアンダーグラウンド」

2020-01-18 13:18:21 | ★ディスティニー21章
 すると諒は言葉を選んで、
「ライブ前だから思い出したくない」
 そう言って…すると直人が、
「悪気はないんだろうけど、口の利き方知らない人っていなくならないよね…よりによって本番直前にそんなのが現れたか…」
 しかし、諒は直人の言葉にかなり救われたらしく、
「悪いことの後にはいいことがあるっていうから、今晩のライブは、めちゃめちゃいいんでしょ…」
 と直人にありがとうと言うように微笑むと、諒はいつものように男らしく食べ始めたが、すぐにその箸は止まってしまった。
 その後、麻也は流れ作業で他のメンバーと同じくメイクもしてもらい、衣装も身に着けてステージに上がっていったものの…
 ステージはすでに観客の熱に飲み込まれており、体が思うように動かず気力だけの麻也は、あたかもギターという武器を振りまわすだけの武者…
(…このくらいの空気、普段ならどうってことないのに…)
 どうってことない?
 麻也は自分の感覚に驚いた。