BLロック王子小説「ディスティニーアンダー・グラウンド-ギターとスターに愛され過ぎた王子-」

 ★過去に傷を持つ美貌のロックギタリスト遠藤麻也(まや)。運命の恋人・日向 諒と東京ドームに立つが…

★BLロック王子小説21-57「ディスティニーアンダーグラウンド」

2020-01-19 21:41:22 | ★ディスティニー21章
そう。
 客席までがやけに遠く感じられる。それは、普通なら客席の熱が低いせいだが、自分の感覚が狂っているせいなのかもしれないと思うと不安になった。
 ライブを進めていっても残念ながら手応えは薄いままで…
 思えば、今日はカメラが入ってるからキスしないよ、と諒にアンコール直前に念を押されたくらいだから、身内はかなりハラハラしていたのだろう。
 それでもやっぱり武道館の空気は別格なのだ…と、麻也は信じたかった…
 終演後に楽屋で客席にいた知人達から、笑顔でノリノリだったと言われたが、麻也はあまりステージのことを覚えていない。
 ただ会場全体はやっぱり熱かったということだけは断片的に残っている…
 ステージから降りる時、両脇からみんなが支えてくれたのがありがたかったが、
(これじゃ明日が思いやられる…)
 なんと言ったらいいか、麻也は頭と体がバラバラに疲れていた。