BLロック王子小説「ディスティニーアンダー・グラウンド-ギターとスターに愛され過ぎた王子-」

 ★過去に傷を持つ美貌のロックギタリスト遠藤麻也(まや)。運命の恋人・日向 諒と東京ドームに立つが…

★BLロック王子小説24-21「ディスティニーアン ダーグラウンド」

2021-04-10 23:10:00 | ★ディスティニー24章
「明日は二人でごろごろね」
「うん。わかってますよ。そんなキツい言い方しなくても。それに、真樹と直人ももう予定があるかもしれないしね」
「じゃああさっては、諒と出かけて外界に慣れて、次の日はメンバーと宴会、次の日はみんなで帰省。帰っ
てきたら恭一」
「うんわかった。じゃあおのおの連絡しましょう」
 
 麻也はまず真樹に電話してみた。
「デートとかかぶらない?大丈夫?」
ーうん。ウチはね。
「は?」
ーいや、直人がちらっと言ってたんだけど…
 直人の彼女の志帆が、ヨーロッパに留学することになったのだという。彼女は画廊の娘で、独立が夢だったが…


★BLロック王子小説24-20「ディスティニーアン ダーグラウンド」

2021-04-09 21:59:26 | ★ディスティニー24章
 麻也は謝ったが、諒は穏やかな表情で、
「ううん。そんなことないよ。」
 そして、
「俺たちみたいに忙しい商売だと休みが少ないから仕方ないよ…」
 などと言っていたが、また目尻を下げてにんまりすると、麻也にすり寄っていき、
「でも俺とのごろごろを一番に言ってくれたのが嬉しい! よし今日のディナーは諒くんカレーだ!」
「やったあ!」
 …それから二人はリビングでごろごろしたり、昼寝をしたりとイチャイチャしていたが…
 麻也が目覚めると、諒は自分のスケジュール帳を見ながら渋い顔をしていた。
 寝ぼけた頭で麻也は、
(もしかして諒はドーム前のリリースの準備に入っているのかも…)
 と思い、悪いのでまた寝たふりをしようとしたところで、諒と目が合ってしまった。
「起こしちゃった? ごめんね。まだ寝てていいよ」
「いや、諒の渋い顔が気になる」
 しかし、諒の困った顔はあまり変わらず、
「ああ…うーん、さっきの麻也さんのスケジュールを具体的にしようと思ってね…」
 

★BLロック王子小説24-19「ディスティニーアン ダーグラウンド」

2021-04-08 20:14:00 | ★ディスティニー24章
 ごめん、俺寝ぼけてた…と諒は言葉を濁してくれたが、麻也はすまなくなって、どうにか冗談ぽく、
「諒に無断で外に出たりなんかしないよー。俺、今はいちばん諒とデートがしたいんだから…」
 それを聞いて諒はよろよろとソファに倒れ込んだが、
「ごめんね、俺また早とちりしちゃった…」
 麻也も胸が痛くなった。諒だって、ここで起きたことが忘れられているわけではないのだ。
 麻也も慌てて、
「いや、俺の方こそごめんね。声かけてからこっち来ればよかった。でもすごく疲れてそうだった起こすの悪くって」
 お詫びに麻也がアイスコーヒーを入れてやると、諒は、
「麻也さん、何かあったの?」
 意外だった。
「どうして?」
「いや、何か悩み多き顔をしているよ」
「うーん、バレたか」
 麻也はあっさり話した。
「うーん、今後のスケジュール」
 諒とこの部屋でうだうだしてたいし、デートにも行きたい。帰省もしたいし、この部屋でメンバーだけで宴会したい、恭一と食事に行きたい…
「ごめんね、俺のせいでオフがなくなったようなもんなのに…」


★BLロック王子小説24-18「ディスティニーアン ダーグラウンド」

2021-04-07 22:02:00 | ★ディスティニー24章
 麻也が目覚めると、もう朝だった。
 久しぶりにすごく気分よく起きられて、麻也は驚き、嬉しくなった。
 隣では諒がまだ眠っている。
 それで、麻也は気づいた。
(あれ、俺、パジャマ着たままだ…)
 さすがの諒もそこまでの元気はなかったのだろう。
(でも、これで俺、充分幸せだな…)
 起こすのはかわいそうだと思ったので、麻也は少し寂しかったが、一人でリビングに行き、パジャマのままアイスコーヒーを飲み、ぼーっと考えごとをしていた。
(帰省したいしな…でも…)
 諒と二人でこの部屋にこもっているのが心地いいので、外には連絡すら取りたくないくらいなのだ。
(まあでもせっかくの休みだから、諒にも帰省とか外出とかさせてあげたいけど、日数は少ないし、どうしたもんかな…)
 するといきなりドアが勢いよく開き、諒が飛び込んできたのだ。
 顔は真っ青だった。
 麻也もびっくりだった。
「どうしたの?」
「いや、麻也さんいなかったから…」


★BLロック王子小説24-17「ディスティニーアン ダーグラウンド」

2021-04-06 22:52:00 | ★ディスティニー24章
「なぜ今?」
「うーん、何でかな」
 すると、それを聞いた諒は眉をひそめて無言になった。
(あ、ヤバいかも…)
「諒に抱きついたら、もう全ての夢を抱き締めた気になっちゃったのかも」
「何それ~」
 諒は照れくさそうに大声をあげた。
「諒は、俺の全部の夢が服着て歩いてるのかも。大好きなひと? 大好きなひと? あっ…」
「ふふっ、白状したな」
また諒の長い腕に捉えられそうになるが、麻也も笑いながら逃げる。
「ダメだよ麻也さん!俺と濃密に過ごせないと、他のごとが億劫になるんでしょ?」
「うん。そうだけど」
 二人はまた手をつないでテレビを見始めた。
 昨夜で安心したらしく、諒は、麻也を求めてこなかったような…
 優しいキスを何度も受けたのは覚えているような気はするのだが…