2021年の上演から3年で再演。
コロナ禍でコーバー氏が来日出来なかった、演出面もパーフェクトではなかったから、リベンジ上演ではあると思います。
それとこれは想像ですが、キース・ウォーナー氏との契約上の関係もあるのでは?
このプロダクションは◯年間は使っていい、的な(逆に◯年以上経ったら使えない、とか)。
トーキョーリングも割と短いスパンで再演されたけど、それ以降は使えなかったみたいだし。
ということはもうこのプロダクションを日本で観ることは出来ないかも??
と思っていたら、全世界でもう観られない、と発表されていました!
確かに演出にも旬とかあるし、ウォーナー氏のこだわりなのかも。
トーキョーリングの「ワルキューレ」だけでも、また観たいなあと思うのだけど。
トーキョーリングもそうでしたが、「タンホイザー」もですが、やはり、ウォーナーの演出は「作品をわかりやすく表現している」と思います。
前にも書きましたが、光の使い方も好きでした。
ベタだけど「タンホイザー」ってラストシーンで結構泣ける作品だと思うのです。
以前観たびわ湖(私は神奈川県民ホールで観た)ミヒャエル・ハンペの演出は超王道のラストでしたが、ジーンとしました。
そしてこのウォーナー演出でも一番印象に残っているのがラストシーン。
ネタバレになりますが、前回の上演の時に書いたのがこちら。
https://blog.goo.ne.jp/aokohime/e/84419cae0f5b493bbde0a115c0538b32
エリーザベト(天の使い)とタンホイザーは手を握って終わるのか、つなぎそうでつながないで終わるのか。
今回は、初日(2/28)はがっしりと手を握り2日目は届かずに終わりました。
そして今回改めてこの演出を観て、途中手を差しのべて握る、というシーンが何回か出て来ることに気づきました。
ラストシーンを知っているから余計に意味深に見えたのですが、前回こんなに手を握るシーンってあったかなあ?
手を握るだけでなく、結構ボディタッチが多い。
記憶になかっただけかもしれませんが、前回はまだコロナ禍真っ最中で、ソーシャルディスタンスのため、前回はあまり接触しないようにしていたのかもしれないです。
で、問題のラストシーン。
今回初日、完成型を観た気がしました。
音楽の終わる最後の瞬間にガシッと握り暗転!
ゾクッとしました。
言ってみれば、「東急ジルベスターコンサート」で、午前0時ちょうどに演奏が終わるあの感じ。
これがウォーナー氏の意図する最高の状態だったのでは?
それで言うと、前回公演の初日は、届かずに終わった感じで、2日目はわずかに早く握れた、という感じだったような。
今回の2日目ははるかに届かなかった。
今回のプログラムの作品解説で稲田隆之さんが最後に書いています。
「二人の手が繋がるか繋がらないかで結末が変わる」、と。
つまりオニールタンホイザーは救済され、片寄タンホイザーは救済されなかった、ということ?
残り2日の「結末」が気になります。
今回も2日目の公演前にヴェーヌスの髪、ではなく、ナポリタンを食べました。
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