川端裕人の作品。★★★★☆
菊野脩、亀丸拓哉、河邑浩童、小学五年生三人は、自分たちが住む地域を流れる川を、夏休みの自由研究の課題に選んだ。
そこにはそれまで三人が知らなかった数々の驚くべき発見が隠されていたのだ。
少年たちの川をめぐる冒険がはじまった。
身近な自然の中で川が指し示す「今ここ」と、見果てぬ「遠い未来」への夢を描いた、感動の傑作長編。
(本のカバーの紹介文より~原文のまま)
三人が、川でみつけた思いがけないもの~それは、マゼランペンギン。
(え~っ、ネタバレじゃん。と思われた方、すみません。
ふだんは、なるべくネタバレしないよう心がけているのですが、今回は、ペンギンなので、許してください
三人が、どんなふうにペンギンと出会うのか、どんなふうに関わっていくのか、それは読んでもらうときのために、書かないでおきます)
ペンギンが出てきた時点で、「やられた!!」と思いました。
川端さんは、私がペンギン好きって知ってたのかなあ?
いえいえ、そんなことはないから、ただの偶然なんだけど、共通項を見つけたようでとても嬉しかったです。
あらあら、話が、少しずれてきました。
少年たちのことを、紹介します。
菊野脩。写真家の父に連れられ、アマゾンを旅したこともある。ひとつの学校に長くいたことがないため、今年の夏は、今いるこの場所で自分の居場所を作ろうとしている。漫画を描くのが得意。
亀丸拓哉。通称、デブ丸。ケーキ屋の息子で、妹思いの優しい兄。考えるよりも、まず動くというタイプ。クラスの中では、お笑い部門担当。とにかく熱い少年。
河邑浩童。手足が長くひょろっとした感じが、西遊記の沙悟浄に似ている彼は、名前を略して、河童(かっぱ)とよばれていた。彼の祖父は『川の名前』という本の作者で、孫である河童は、川や川の生き物について、誰よりも詳しかった。
そして、もう一人~優等生で、スポーツ万能で、銀縁眼鏡で渋く決めてる手嶋國光。彼は、事あるごとに脩に冷ややかな視線を送り続ける。しかし、林間学校を機に手嶋と脩は、急速に接近。ペンギンチームの、四番目のメンバーとなる。
この作品は、四人の少年の『ペンギンサマー』の話。
今ここにいること、そして、これからつながっていくこと。
それは、川の流れと同じなんだ~と少年たちは、気付いていく。
『ペンギンサマー』が終わる頃、脩は、ここが自分の居場所だと、素直に思える。
~川端テイスト満載の作品です。
せつなくて、あたたかい作品です。大好き!!
この夏は、ペンギンに会いにいこう~と秘かに思う私でした
2006.6.30追記:いま、川端さんのブログを拝見してたら、近々、『川の名前』が文庫になるそうです。
作者のコメントが読めるなら、買っちゃうかも。単行本、持ってるけど
2006.8.19追記:川端さんのブログで、『川の名前』の書評一覧に、このページも紹介されました
その日から、たくさんの方に、見ていただいてます。ありがとうございます。
お時間のある方は、コメント&TBをしていただけると嬉しいです。
~それから、ペンギンにはまだ会えてません。来月には行けそうです