豊島ミホの新作。★★★☆☆
中学三年生の宮本進と松田綾子。クラスの中では、地味な二人が、学祭をきっかけに、言葉を交わすようになる。
アヤは、中二のころからシンを「特別な存在」として意識していた。
そして、シンは自分の背中を押してくれる存在として、アヤを意識するようになる。
しかし、友だち以上、恋人未満の二人は、ある日、小さな諍いをおこし、離れていく。
そして、卒業の日。アヤは、自転車のシンを必死で追いかけていく。
泣きじゃくるアヤに、シンはある「約束」をするのだった。
10年後の今日、3月14日に、またここで会おう、と。
そのとき、アヤはマンガ家になって、本をみせること。
シンは、超有名なミュージシャンになって、「アヤコに捧ぐ歌」をもってくる~と。
月日は過ぎ、10年後の「約束」の日まで、あと二ヶ月。
アヤとシンは大人になり、別々の時間を重ねている。でも二人は、あの「約束」を忘れてはいない。
二人は、「約束」どおり、10年後の再会を果たすことができたのか。
「約束の日」までのカウントダウンが始まる~
~なんて話でした。
豊島ミホワールド全開、と思える作品。
10代のころの、せつない想いや、一途なきもち。
あやふやで、頼りない言葉。
なつかしくて、でも、もう触れることのできない時間。
そんな風景が広がっていました。
豊島ミホは、これからどんな作品を書くのだろう。
この作品を読んで、そんなことを思ったりしました。
小学生・中学生・高校生、その先の世界を見せてほしいです。